2005 Fiscal Year Annual Research Report
格子運動論スキームを用いた密度比の大きな界面ダイナミクス解析法の開発
Project/Area Number |
16560145
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
稲室 隆二 京都大学, 工学研究科, 教授 (20263113)
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Keywords | 格子運動論スキーム / 格子ボルツマン法 / 気液二相流 / 数値解析法 / 気泡流 / 界面ダイナミクス |
Research Abstract |
気液二相流の問題は,機械工学,原子力工学,化学工学などの様々な分野において重要な課題であり,これまで多くの実験的,数値解析的および理論解析的研究がなされてきている.気液二相流の特徴は,界面が存在しその界面形状が複雑に変化し,多様かつ複雑な流動様式を示すことである。すなわち,気液二相流を解明するためには,界面ダイナミクスの解析が重要な課題である.しかしながら,界面の複雑な挙動を明らかにするためには,実験的ならびに理論解析的アプローチでは限界があり数値解析的アプローチが不可欠である. 本研究では,この二相系格子ボルツマン法をさらに発展させて大きな密度比(1000程度)の界面ダイナミクス解析に適用可能な方法を開発した.次に,上述の格子ボルツマン法の短所を解決する新しい方法である格子運動論スキーム(Lattice kinetic Scheme)を用いた界面ダイナミクス解析法へ発展させた.さらに,並列計算機を用いて計算の高速化を計り,液滴流や気泡流の大規模算を行い本手の実用問題への適用可能性を検証した. 1.前年度に開発した二相系格子ボルツマン法を格子運動論スキームに発展させた. (a)速度分布関数を用いた定式化において,衝突緩和時間を1にすることにより,巨視的変数のみからなる時間発展方程式(格子運動論スキーム)を導出した. (b)上で導出した時間発展方程式をプログラム化した. (c)開発した格子運動論スキームの解析コードを並列計算機に移植した. 2.実用問題(液滴衝突,気泡流,キャピラリー流など)に適用し,既存の実験結果と比較して計算精度の検証を行った.また,計算時間(並列化効率)も検証した. 3.16年度および17年度の研究成果を基に,開発した手法の問題点を整理し,次段階の研究に着手するための総括を行った.
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Research Products
(3 results)