2005 Fiscal Year Annual Research Report
非圧縮性環境予測シミュレーションに対する圧縮性方程式の展開
Project/Area Number |
16560146
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 秀利 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40164561)
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Keywords | 圧縮性方程式 / 非圧縮性流れ / 低マッハ数流れ / 一様マッハ数圧力補正法 / 圧力基準圧縮性方程式 / 丘陵地形を過ぎる流れ / 環境予測シミュレーション |
Research Abstract |
本年度においては,圧縮性方程式の非圧縮性環境予測シミュレーションへの適用を行った。解析対象は丘陵地形を過ぎる非圧縮性流れであり,圧縮性方程式の移流:の離散化には2次精度中心差分法に人工粘性項を付加した手法を,圧力勾配項および粘性項には2次精度中心差分法を採用して,層流シミュレーションを実施した.また,流出境界条件として境界層内・境界層外を同時に取り扱うことにできるナビェ・ストークス特性境界条件(NSCBC)を採用した.その結果,非圧縮性方程式により得られた参考解との良好な一致が確認された.しかしながら,重力および密度成層効果を考慮したシミュレーションにおいては弱成層に対して非圧縮性参考解との一致が確認されたが,強成層の場合には定性的な一致にとどまった.そこで,支配方程式として従来の密度基準圧縮性方程式を非圧縮性まで包括してシミュレーション可能であると考えられる圧力基準圧縮性方程式に変更して,全マッハ数領域において同一の解法で数値シミュレーション可能かどうかの検証を実施した.この手法は一様マッハ数圧力補正法(Mach uniform pressure correction method)と言われ,世界的に見ても適用例が余り散見されない方法である.検証は10%の円弧状隆起を有する平行平板間流れにおいて行った.その結果,一様マッハ数圧力補正法は通常密度基準圧縮性方程式が用いられる超音速・遷音速領域のみならず亜音速領域においても密度基準数値解と良好に一致する結果を得た後,ほぼ非圧縮性であると見なせるマッハ数が0.01以下の準非圧縮性領域に対して適用を行った.その結果,密度基準数値解と異なる数値解が得られ,非圧縮性数値解と比較することにより本研究で採用した圧力基準圧縮性数値解が非圧縮性数値解を再現可能であることを実証した.
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Research Products
(6 results)