2004 Fiscal Year Annual Research Report
数値シミュレーションによるCO_2発生ミニマム化のための高炉内流動現象の解明
Project/Area Number |
16560150
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅景 俊彦 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20223597)
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Keywords | 高炉 / 数値シミュレーション / CO_2発生ミニマム化 / 炉内異常現象 / 離散要素法 / DSMC法 / Navier-Stokes式 / 粒子流体間相互作用 |
Research Abstract |
本年度の研究期間では、実炉スケールでの高炉内の粒子と流体の流動を解析する3次元計算コード(コールドモデル)の開発を行い、いくつかの代表的な流動状態を対象として数値解析を行った。本研究では、高炉に装入されたコークスと鉄鉱石の多体接触による粒子間相互作用の計算には離散要素法を用い、それらが粉砕されて生じた粉どうし粒子問相互作用の計算にはDSMC法(Direct Simulation of Monte-Carlo法)を用いた。粒子間相互作用を考慮したコークス粒子と粉粒子のLagrangian型運動方程式は流体のNavier-Stokes式と連成させて解き、高炉内の粒子と流体の流動を解析することが可能な3次元数値計算コードの開発を行った。本年度の解析では、コークスと鉄鉱石が約24万個、粉が約1億個(DSMC法の標本粒子では約100万個)程度含まれる小領域(羽口1カ所を含む約1/100円弧の領域)を対象として、高炉内の粒状体が1.コークス粒子のみの場合、2.粉粒子を考慮した場合、3.ボッシュ部上部に付着物が存在する場合、4.融着帯に相当する領域が存在する場合について計算を試みた。その結果、上記の各計算条件において長時間の現象を安定して解析を行うための諸条件(粒子の物性値と時間ステップの関係など)、および高炉内の粉・付着物・融着帯が粒子と気流の流れに及ぼす影響(粉粒子のレースウェイ前方への蓄積や付着物・融着帯位置の変動が流れ場を大きく変化させること、また炉内の流動状態の変化は炉外から測定可能なレースウェイ寸法の変化と関係付けることが可能なことなど)に関する基本的な性質が明らかになった。これを基礎として、引き続き次年度は高炉におけるCO_2発生ミニマム化を阻害する異常現象の発生メカニズム解明を進める。
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