Research Abstract |
平面上に設置された直方体突起対ならびに千鳥配列3列直方体突起物について,それらの物体まわりの三次元非定常剥離流れおよび突起物表面からの熱伝達特性を,ナビエ・ストークス方程式およびエネルギー方程式の直接数値シミュレーションにより解明してきている.流れの剥離の様相を正確に把握するため,対流項には五次精度上流差分を採用するなど工夫を凝らしている.平成16年度において得られた結果を要約すると次のようになる. 1.突起対の突起間すきまが狭くなると,それぞれの突起まわりに生じる馬蹄形渦は合体し,突起対を包み込む1個の大きな馬蹄形渦を形成する.突起間すきまに流入する流体は少なく,流路中央の流れは強く押し上げられ,すきま上方から流出する. 2.突起背面の循環領域での流れは突起間すきまおよびレイノルズ数により大きく変化する.中程度の突起間すきまでは,すきまに流入した馬蹄形渦は互いに強く干渉し,すきま内の流れを複雑にする. 3.単一突起と比較し,すきまが極端に狭い場合の突起全面の平均ヌッセルト数はかなり小さいが,比較的すきまが広がると突起全面の熱伝達低下はわずかとなる.また,すきまが中程度の場合の流路中央側側面では,レイノルズ数の増加とともに単一突起の側面より熱伝達が促進される. 4.千鳥配列3列突起物では,1,2列目突起上流に馬蹄形渦が形成され,突起後方に循環領域が形成される.1,3列目突起間に形成される循環領域は,2列目突起がない場合と比較、して小さい.3列目突起上流では低レイノルズ数では馬蹄形渦は形成されない. 5.3列目突起近傍では,突起前面近傍で中央部に向かう流れが存在する.側壁前縁で流れが剥離し,側面は剥離循環領域に埋没する. 6.突起面温度分布は1,2列目突起では同様であるが,3列目突起での分布はそれらと異なり,側面の温度がきわめて高い.
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