Research Abstract |
サブミクロンサイズの固体微粒子(重金属など)および液体微粒子(酸性ミストなど)を含んだ流体は,人体中で,微粒子が蓄積・濃縮する為,含有量が極微量であっても将来的に健康に大きな影響を与え,微量金属の種別と流動挙動を解明する必要がある.また,マイクロサイズ以下の領域での熱流動現象は,次世代の実用工業技術に重要性な役割を果たす. 本研究では,マイクロステップ流動現象を利用した多角的なサブミクロン粒子の現象解析を行う事で,実験的・理論的な測定・判別手法を確立し,必要な定量的なイメージング測定手法の実用化の検討を行う. 今年度は,実験流路(含:予備実験用)を試作し,溶液中(水およびシリコンオイル各種)で,密度が1程度の微粒子(3種を混合)の移動速度および空間位置を制御できるように流動場(循環駆動系=オーバーフロー流動を利用)を作成した.また,各種ステップ流路部をマイクロ加工で各種試作し比較検討した.新しく倒立顕微鏡撮影システムを構築し,従来の測定系を併用し,混合粒子流動の詳細現象を蛍光粒子移動解析する準備を進めた.また,画像速度解析の改良を行い,基礎と成るステップ流の数値解析を行い,混合粒子効果を定量的に解析した. その結果,単粒子系では,粒子径が小さくなるに従い,ステップ下部に粒子が拡散し,ステップ端付近での粒子移動の速度勾配が急になった.混合粒子系では,混合粒子効果で粒子径に応じた移動軌跡への影響が生じ,壁面近傍へ移動経路が単粒子系に比べて変化した.大粒子の比率が多くなるに従い,上記の現象は,より顕著にみられ,速度ベクトル変化も大きく乱れるようになった.流体粘度を高くした場合,ステップの形状に沿って粒子は移動し,流れの乱れが小さくなった.流動速度により,混合粒子効果および粒子の凝集効果の領域性は変化した.以上の粒子識別(径・種)の基礎データを取得した.
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