2004 Fiscal Year Annual Research Report
組織構造と火炎の相互干渉過程の2方向同時高速度画像解析と離散渦法による解析
Project/Area Number |
16560182
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大岩 紀生 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (00023341)
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Keywords | 予混合火炎 / 平面せん断流 / 組織構造 / 渦と火炎の相互干渉 / 離散渦報法 / 二方向同時高速度光学観察 / Vortex Bursting / Vortex Boosting |
Research Abstract |
近年,乱流燃焼速度促進機構の一つとして,渦と火炎の相互干渉において主要な役割を果たしているVortex Burstingに関する実験的・理論的研究が数多くなされてきた.しかしどの研究も,単一の渦輪や渦管を対象にしたもので,せん断流,後流のような実用乱流場における干渉過程に関しての情報は皆無である.本研究ではこのような観点から,研究対象としてプロパン・空気予混合平面せん断流を取り上げ,流れ場に規則的に発生する組織構造を用いて"渦と火炎の相互干渉"を光学的に観察し,離散渦解析した.光学的観察にあたっては,同時に2方向の高速度シュリーレン撮影が可能な光学系を考案し,画像解析の再現性と確度の向上を可能にした.また,平面せん断流を外部から音響励起することにより組織構造の発生の卓一化させ,隣接する粗大渦間の任意の場所での火花点火を可能にした. 観察および離散渦解析にあたっては,低速一様流の速度をU_2=2.5m/sに保って高速一様流速度をU_1=4.0,5.0,6.0m/sと変化させ,組織渦の周速度をν_θ=0.75m/s〜1.75m/sと変化させた.一方,プロパン・空気混合気の当量比をφ=0.7,0.8,0.9と変化させて層流燃焼速度をS_L=0.23m/s,0.31m/s,0.37m/sと変化させ,周速度と燃焼速度の比をν_θ/S_L=2.02〜7.61と変化させた. 得られた結果は以下のように要約される.(1)火花点火後の初期段階では,火炎は組織構造の巻き込み作用に起因するVortex Boostingよって促進され,渦軸方向より速やかに伝播する.(2)伝播火炎の両端が隣接する渦に入り込むと,Vortex Burstingにより渦軸方向の加速が顕著になる.したがって,渦と火炎の相互干渉過程はVortex BoostingとVortex Burstingから成る.(3)離散渦解析による火炎伝播速度:V_<fl>(φ)は画像解析結果とよく一致し,一様流中の火炎伝播速度:V_0(φ)と燃焼前後の密度比:ρ_u/ρ_bを用いてV_<fl>(φ)=V_0(φ)+ν_θ=(ρ_u/ρ_b)S_L+ν_θと表されることを明らかにした.
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Research Products
(2 results)