2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁性流体と間欠磁場を利用した高性能熱輸送デバイスの開発
Project/Area Number |
16560183
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北村 健三 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20126931)
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Keywords | 伝熱 / 熱伝導 / 磁性流体 / 熱伝導率 / 磁場 / 伝熱促進 |
Research Abstract |
本年度は,30wt%のフェライト粒子を純水中に分散させた水溶媒磁性流体,具体的にはシグマハイケミカル社製M-300を試験流体として,まず無磁場および定常磁場印加時における磁性流体の見掛けの熱伝導率を測定した.この熱伝導率測定には定常平板法を採用し,磁性流体を底面冷却,上面加熱された密閉容器内に封入して,外部から定常磁場を熱流と同一方向に印加した場合について測定を行った.その結果、上記磁性流体の熱伝導率λは,無磁場・室温(20℃)下では水よりも若干低い値、λ=0.52[W/mK]を示すことが分かった。つぎに、この体系に定常磁場を印加した場合について、磁性流体の見かけの熱伝導率を測定してみた。その結果、磁場強度の増加につれて熱伝導率は高くなり,磁束密度Bが0.5[T]以上でぼぼ一定値を示すことが分かった。その熱伝導率λの値であるが、密閉容器の大きさ、具体的には高温-低温壁間距離Hによって変化し、H=2mmでは、λ=0.53[W/mK]、H=5mmでは、λ=0.65[W/mK]、H=7mmでは、λ=0.75[W/mK]、と間隔Hが増加するにつれて熱伝導率λが高くなる結果が得られた。無磁場下の熱伝導率が容器の大きさに依存しない結果を考慮すると、上の結果は非常に奇妙な結果といえる。そこで現在、何故このような結果が得られるかについて種々検討している段階にある。また上の実験と並行して、上記体系に非定常磁場を印加した場合についても,見掛けの熱伝導率の測定を試みた.磁束密度BをB=0.5[T]に固定し,磁場のON、OFF周期τをτ=1〜10[sec]の範囲で変化させた実験を行ったが、十分時間が経過した後の準定常状態での磁性流体の見掛けの熱伝導率は、本実験範囲内では定常磁場下の値とほとんど変化が認められなかった。この理由についても現在検討中である。
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