2005 Fiscal Year Annual Research Report
確率密度関数/モーメント組み合わせ法による乱流非予混合燃焼のモデリング
Project/Area Number |
16560184
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
野田 進 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60124054)
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Keywords | 乱流燃焼 / 非予混合燃焼 / モデリング / 確率密度関数法 / モーメント法 |
Research Abstract |
本研究は,乱流燃焼のモデル解析の一つである確率密度関数法の高度化とその応用を目的としている。確率密度関数法は反応を厳密に解析できるという利点があるが,解法としてモンテカルロ法を使用するため解析負荷が高くなる。また,解析精度が有限差分法に比べ,劣る欠点があり,この問題を解決する必要がある。 乱流燃焼場はスカラー確率密度関数輸送方程式で表現することができるが,この方程式の1次および2次モーメント式はモデルモーメント式を再現するようにモデル化されている。すなわち,モデル確率密度関数輸送方程式で解析される1次モーメントと2次モーメントはモーメント法で解析される1次および2次モデルモーメント式の解析結果と一致しなければならない。初年度において,モデル確率密度関数輸送方程式とモデルモーメント式を同時に解き,解析精度に優れるモデルモーメント式から求まる1次モーメントと2次モーメントに合致するように,モデル確率密度関数輸送方程式の確率密度関数を輸送する確率密度関数/モーメント法の確立を行った。また,本手法の有効性を確認するために,コンサーブドスカラーコンセプト(フレームレットモデル)に基づく確率密度関数法/モーメント組み合わせ法による噴流拡散火炎の解析を行い,従来のモーメント法(フレームレットモデル)の解析結果と比較検討し,本手法によって大幅な解析精度の改善が得られることを確認した。 しかし,噴流火炎の下流において,解析精度の低下が依然として存在することを確認した.この問題は流れ場の解析に起因している可能性がある.これまで流れ場の解析で使用してきたk-ε2方程式は一様等方性乱流場を基にモデル化された手法であり,乱流燃焼場のような強非等方性乱流場の解析には不向きの可能性がある.そこで,流れ場の解析にレイノルズ応力モデルを導入することを試みた.この手法を導入したフレームレットモデル法と確率密度関数/モーメント法の解析を行った.また,本解析結果と実験結果を比較し,本手法の評価を行った。この結果,噴流火炎全体において解析精度の向上が確認できた.これらの成果は学会で発表するとともに,日本機械学会論文集に投稿した。 最終年度においては,本手法に詳細反応機構を導入し,有限反応の効果を検討する予定である.
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Research Products
(5 results)