2004 Fiscal Year Annual Research Report
固体面に連続衝突する微小液滴の変形挙動および伝熱現象
Project/Area Number |
16560185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (40229050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宅田 裕彦 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20135528)
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Keywords | 数値シミュレーション / 液滴 / 相互干渉 / 可視化実験 / スプレー冷却 |
Research Abstract |
2液滴が固体面に連続衝突するときの液滴間相互作用を観察する実験装置を作成し、それを用いて実験を行った。まず、常温もしくは比較的温度の低い加熱面に連続衝突する2液滴の変形挙動を扱い、2液滴間の距離が変形特性に及ぼす影響を研究した。液滴径は数百マイクロメートルで、衝突速度は数メートル毎秒である。2液滴間の距離が長い場合、2滴目の液滴は、1滴目の液滴が薄い円盤状に変形したときに衝突する。そして、2つの液滴の衝突点から円環状の薄膜が形成され、発達し、王冠状に変形する。2液滴間の距離が小さい場合は、そのような現象は確認されない。つぎに、固体面温度を300℃に上昇させ、同様の実験を行った。液滴は固体面と衝突すると、固液接触面で沸騰が起こり、無数の蒸気気泡が形成される。蒸気気泡は時間の経過に従い成長し、また固体面から離脱して上方に移動し、やがて気液界面を通して大気中に解放される。このような気泡の運動により、液滴は多数の微小な塊に分裂する。液滴の分裂挙動は、衝突前の運動エネルギーに大きく影響を受け、また衝突後短時間で発生する。2液滴間の距離が長いと、1滴目の液滴の分裂が終了後、2滴目の衝突が起こることになり、相互干渉はほとんどない。固体温度を500℃に上昇させると、固液界面で薄い蒸気膜が形成され、蒸気気泡に由来する液滴の破壊はなくなる。したがって、常温の場合に見られるような王冠の形成が確認された。また、理諭解析を行うための、コンピュータプログラムも開発した。
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Research Products
(4 results)