2005 Fiscal Year Annual Research Report
高周波バリア放電プラズマを用いた反応性酸素による自着火制御に関する研究
Project/Area Number |
16560186
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
ALI MOHAMMADI 京都大学, エネルギー科学研究科, 講師 (40314885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 拓二 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (30203037)
塩路 昌宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80135524)
川那辺 洋 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (60273471)
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Keywords | 内燃機関 / 天然ガス / 予混合圧縮着火機関 / オゾン添加 / 燃焼制御 / 化学動力学計算 / 化学反応機構 |
Research Abstract |
ディーゼル、ガソリンならびにガス機関においては、常用出力域での徹底的な熱効率の向上と環境影響物質の排出低減を進めるために希薄燃焼の高度化が望まれている。そのため本研究は、吸入空気を低温プラズマ処理して得られる反応性の高い化学種を利用して、着火および燃焼の制御を行う技術を行う技術を開発することを目的とする。低温プラズマ内では、空気中の酸素および窒素に自由電子が作用し、温度上昇を伴わずに0(3P)やオゾンなどの活性種が生成される。このような活性種が混合気中に取り込まれると、燃焼炭化水素の反応速度が上昇し、希薄下でも火炎伝播ならびに自着火が促進されると考えられる。このとき、プラズマ強度の調整によって活性種の濃度を変化させれば、火炎伝播速度や自着火時期の制御が可能となる。 前年度には、大流量の吸気を処理できる大型高周波バリア放電を新たに製作し、高電圧高周波電源と組み合わせて性能を評価した。本年度は、その結果にもとづいて、空気と天然ガスの混合気をプラズマ化した後エンジンに導入し、予混合圧縮自着火(PCCI)燃焼の改善を試みた。試験結果によると、オゾン添加によって天然ガスの着火が促進され未燃成分の排出量が低減し、燃焼効率が増加することがわかり、低い吸気加熱温度でも高い正味熱効率が得られることが示された。さらに、これらの反応の詳細を解明するために、化学動力学計算プログラムに、オゾン等の活性種の反応機構を組み込み、これらを用いた反応計算の結果と上記実験より得られた生成物組成の特徴を比較することによって反応過程を理論的に調べた。その結果、圧縮行程初めにおけるオゾンの分解により活性種であるHO2およびH2O2が生成し、それが主に天然ガスの着火と燃焼を改善する要因となること、オゾン濃度の増加による着火改善効果はある程度で飽和し、それは上記活性種の増加が制限されるためであること、などが示された。
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Research Products
(3 results)