2005 Fiscal Year Annual Research Report
低温燃焼におけるハロン代替消火剤の性能評価と抑制反応メカニズムの解明
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16560194
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高橋 和夫 上智大学, 理工学部, 助手 (10241019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪俣 忠昭 上智大学, 理工学部, 教授 (30053656)
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Keywords | ハロン代替消化剤 / ハイドロフルオロカーボン / 急速圧縮機 / 着火誘導期 / 熱分解反応 / 乱流流通反応管 / 反応速度 / 反応経路 |
Research Abstract |
ハロン代替消火剤であるハイドロフルオロカーボン(HFC)の性能評価及び反応機構解明に関するこれまでの研究の多くは高温で行われており,低温におけるHFCの化学的挙動は未だ明らかではない.本年度は昨年度に引き続き,まず急速圧縮機を用いて反応速度に密接に関連する着火誘導期(τ)の測定を行った.そして,既に構築した高温でHFC反応機構と速度データに改良を加えてτのシミュレーション計算を行うことにより,HFC消火剤の添加効果を検討した. 上述の結果より,代替消火剤HFC-227ea(CF_3CHFCF_3)及びHFC-23(CHF_3)によって抑制された炭化水素-空気火炎中には,多量のハイドロフルオロエタンが中間体として存在し,これらの化学的挙動を調べることが同消火剤の燃焼抑制作用を明らかにする上で不可欠であることがわかった.そこで,同消火剤の分解生成物と,火炎中に存在するメチルラジカルとの反応によって火炎中に多量に存在するCH_3CF_3とCHF_2CF_3の熱分解について,乱流流通反応管を用いて検討を行った. その結果,熱分解総括速度定数として以下のアレニウス式を得た. k(CH_3CF_3)=10^<12.9±1.2>exp[-(276±29)kJ・mol^<-1>/RT] s^<-1> k(CHF_2CF_3)=10^<13.9±1.4>exp[-(324±36)kJ・mol^<-1>/RT] s^<-1> また,生成物分析の実験結果と分子軌道計算より,CH_3CF_3の熱分解ではHF脱離が主反応であるのに対し,CHF_2CF_3の熱分解ではHF脱離の他にもC-C単純結合解離及びH内部転移後のC-C結合切断反応が起こることがわかった.以上のような反応経路の違いは,Fluorine Hyperconjugation効果と各ハイドロフルオロエタンの1位及び2位置換フッ素間の反発作用によって合理的に説明することができた.
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