2005 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導電磁石冷却用ヘリウム冷凍システムの信頼性に関するデータベースの開発
Project/Area Number |
16560199
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
青木 香苗 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (10212359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春山 富義 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90181031)
槙田 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30199658)
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Keywords | データベース / 超伝導電磁石 / ヘリウム冷凍システム |
Research Abstract |
1、平成17年夏までに収集されたデータは11施設、不具合事例は156例である。これらのデータはKEKの施設が主であったが、preliminaryな分析では圧縮機の改良が全体の信頼性を向上させることを示している。この結果とこれまでのデータベースの開発の動機、データベースの各要素と情報公開の方法を合わせて、平成17年CEC-ICMC2005(8/29-9/2 Keystone, USA)及び11月の2005年度秋季低温工学・超伝導学会において発表を行った。 2、平成16年度に定めたデータベース要素(一般事項-諸パラメータ、不具合状況)に従って、国内の対象となるシステムの調査を行った。 特に現地調査としては、理化学研究所のBig RIPS超伝導ビームライン及び超伝導サイクロトロン(どちらも建設中で将来計画の部類に入る)、さらに物質材料機構の強磁場研究センターにある極低温ヘリウム液化・冷凍システム(現在稼動中)のデータを収集した。 3、平成16年度に行った、将来予想される厳しい設置環境における機器の問題点と検討しての「冷凍システム制御用半導体機器における放射線の影響と対策」に関して、対策として鉄シールドをKEK12GeV陽子シンクロトロンK6ビームライン出口に取り付けた場合の冷凍システム制御系における中性子量を測定して、取り付けない場合との比較を行った。実験結果は鉄シールドにはある程度効果があるが、ビームライン出口のみのシールドでは安全性においていまだ問題があることがわかった。半導体に影響を与えるような中性子源は、単一の場所と特定できないこと、中性子量を半導体が影響を受けない程度に抑えるためには、制御系を設置してからの対策では問題があることが判明した。制御に信頼性を要求される高圧ガスを扱う冷凍システム制御系の設置場所は、建設段階で問題を把握してあらかじめ影響のないところを選ぶべきである。
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