Research Abstract |
本研究の磁気ダンパは,導体板の運動方向と直角方向の外部磁界が存在すると運動方向と逆向きにローレンツカが発生する原理に基づいている.昨年度,ボール型磁石と,銅製の半球殻および銅製の円筒を結合した導体(以後,銅殻と呼ぶ)を組み合わせた磁気ダンパ回転実験装置を製作し,減衰比を測定したところ,解析結果と実験結果はよく一致した.この結果は,2006 ASME International Mechanical Engineering Congress and Exposition (November 5-10,2006,Chicago, Illinois, USA)で発表を行った.また,昨年度,回転実験の際,危険速度通過後にふれまわりが大きくなり,銅殻の発熱等の現象も起こった.そこで,これらの原因を調べるために,実験装置の改良および,モデルの再検討を行った,まず,ボール型磁石の穴位置の精度を上げ,銅殻も形がより単純な半球殻および円筒形のものを製作した.これらは,来年度(H19年度)に実験を行う.また,円筒導体と円形磁石を組み合わせた磁気ダンパ回転実験装置を製作し,円筒導体と円形磁石の相対高さを変えてモデル化の検討を行った.その結果,磁界の分布を考慮したモデル化が必要なことがわかった.この結果は,Dynamics and Design Conference 2006(2006.8.6-9名古屋)で発表した.次に,両もちばりタイプの磁気ダンパ実験装置により,詳細な減衰比の測定を行った.その結果,運動方向によって,理論値より大きい減衰比になることあることがわかった.これは,典型的な磁気ダンパに対して導出された今のモデル化理論からでは説明できない.すなわち,今のモデル理論に他の原理による磁気減衰力を付加する必要があることが判明した.
|