2004 Fiscal Year Annual Research Report
電界共役流体を用いたリニアアクチュエータの提案とその光駆動手法に関する研究
Project/Area Number |
16560231
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中田 毅 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (50256632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一木 正聡 産業技術総合研究所, 機械システム研究部門, 主任研究員 (00267395)
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Keywords | 電界共役流体 / リニアアクチュエータ / PLZTセラミックス / 薄膜 / 光起電力効果 / 負荷速度特性 / パワー効率 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
本研究では,正負の電極間に高電圧を与えると電極間に強い流体流れを発生する現象を有する電界共役流体(ECF)を利用した機能性リニアアクチュエータの提案と開発,およびPLZTセラミックスの有する光起電力効果を利用した光駆動手法の確立を図ることによって,無索で高い耐電磁ノイズ性を有する光駆動型リニアアクチュエータの構築を目的としている.平成16年度は光駆動型リニアアクチュエータの構築を目指して,以下の研究を実施した. 1.電界共役流体の物理的特性の解明. 注入トレーサ法を用いてECFの電極間流れを可視化し,高電圧側から低電圧側に強いジェット流が発生した後、逆に低電圧側から高電圧側に流れ方向が変化する現象が認められた.また.正負の方形波状電圧を印加することによって,流れ方向が変化する現象を抑制することが可能であり,それは正負電圧の持続時間に依存することが明らかになった. 2.電界共役流体リニアアクチュエータの試作と基礎的特性解明. 電界共役流体を用いたピストン型リニアアクチュエータを試作し,その基本的な静特性を実験的に検討した.ジェット流を発生させる電極構造としてコイル構造電極とメッシュ構造電極を考案している.得られた主な結果は以下の通りである. (1)いずれのアクチュエータもほぼ良好な静特性を有し,機能性アクチュエータとしての利用が可能である. (2)30cm/s程度の高い速度特性を有し,そのときの電極間電流は約120μAである. (3)負荷速度特性はDCモータのトルク・速度特性と同様な垂下特性を示す. (4)最大パワー効率は1.7%程度である. 3.PLZTセラミックス薄膜による光起電力効果の改善. 研究などで従来使用されてきたバルク体のPLZTセラミックスとは異なり,シリコン基板上に有機酸化物塗布法によりPLZT薄膜を形成し,上部電極ITOを作成したPLZTセラミックス薄膜を新たに開発した.この開発した素子と従来のバルク体素子の特性実験を行った結果,光起電力効果による光起電圧の大きさは両者ともほとんど同じであるが,発生する光起電流では,バルク体素子に比較して開発した素子は100倍程度増大することが明らかになり,薄膜構造体の積層化等により,当該リニアアクチュエータの光電源として利用できる可能性が見出された.
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Research Products
(2 results)