2005 Fiscal Year Annual Research Report
ディスク記録装置の高速化のための流体振動低減とマイクロ機構の適用に関する基礎研究
Project/Area Number |
16560233
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今井 郷充 日本大学, 理工学部, 助教授 (20369953)
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Keywords | 磁気ディスク装置 / 流体関連振動 / 回転流れ / 円板振動 / 乱流振動 / 位置決め機構の振動 |
Research Abstract |
データ処理の高速化のために磁気ディスク装置(HDD)ではディスク回転数を増加させる傾向にあるが、回転数の増加によって流体によるヘッド位置決め機構への加振力が増加し、位置決め精度の低下につながっている。そのため流体による加振メカニズムの解明と加振力の低減および加振されにくいヘッド位置決め機構の形状等について検討した。 1.流体による加振メカニズムについて 流体による加振メカニズムとして、カルマン渦による励振と乱流による励振とが考えられ、いずれかを調べるためヘッドアーム後方の流速をレーザー流速計で測定し、周波数特性を調べた。その結果、流速の周波数特性は特定の卓越周波数を持たず、励振力はカルマン渦ではなく乱流による。 2.乱流による励振力低減について 乱流における流れの速度や方向のバラツキが加振力になっていると考え、バラツキの散布図と機構の振幅の相関を検討した。両者には相関が見られ、低振動化のためには流れのバラツキ低減対策が必要である。 3.乱流励振力低減方法について 過去の研究からスポイラー(整流板)の設置が有効とされている理由を検討し、スポイラーによる流れのせきとめ作用が流速や向きのバラツキ低減につながっていることがわかった。またスポイラー設置位置や角度の最適化を検討した結果、スポイラーはヘッドアーム上流側に半径方向むけて設置するのが効果的である。 4.アーム形状の最適化について ヘッド位置決め機構におけるアーム長および厚さについて検討した。アームが短い方が剛性では有利であるが、アームが短いとディスク回転で生ずる円周方向の流れの向きが変化し、加振力となることがわかった。したがってアーム長さには最適値があることがわかった。
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Research Products
(1 results)