2004 Fiscal Year Annual Research Report
非接触電力伝送による3次元海中ロボットエネルギーネットワークシステム
Project/Area Number |
16560237
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松木 英敏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70134020)
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Keywords | 海中充電 / CLPS / AUV / コイルギャップ長 / エネルギーネットワーク |
Research Abstract |
今年度は,実在するAUVをターゲットとして,これに本実験給電方式を適用した際に必要となるコイル形状の設計を行った,コイル形状の設計前にその設計過程を検討し,それに従いまず初めに許容電流の面から縒り線の太さを決定した.その際には,空気中と同じ許容電流の場合と,水冷効果を考慮に入れた許容電流の二通りを検討した.その後,その決定した縒り線太さで28[turns]の基本となる積層コイルの自己インダクタンスの予測をし,そののち結合係数の予測および磁性体装着時における自己インダクタンスの増加分を評価した.それらの予測データを基に予想される特性を計算し,さらにインダクタンスや励磁電圧の調整を行うことにより,所望の電圧・電流を得るようにした.これらコイルパラメータを満たすコイル形状を再度検討しその製作を行ったところ,一次側・二次側コイルの自己インダクタンスを製作誤差として想定される5[%]の範囲内にほぼ収めることができた.その伝送特性も二次電池の充電に必要な電圧・電流値にすることは出来なかったものの,製作誤差5[%]分を考慮に入れた予想電力伝送特性の範囲内にほぼ収まっていることを確認することが出来た.これにより,今回用いた電力伝送用コイルに関する設計フローを適用する事で,所望とする電圧・電流値に設定した電力伝送コイルを製作することが可能であることが確認できた.また,製作した2種類のコイルを比較し,水中重量と占有体積および効率の面から磁性体装着33[turns]のコイルが実在のAUV向け電力伝送コイルとして適しているとの結論に至った. これらAUV向けコイルの設計方法をふまえ,様々なAUVに対して本給電方式を適用させる際に必要な共通のコイル設計方法に関して提案を行った.具体的には設計上コイルサイズを拡大・縮小させたときには,数値的には同じギャップ長でも,実質的な相対的なギャップは異なる.そのことを加味するため,ギャップ長をコイルの内径で除算した規格化ギャップというパラメータを導入し,それによる結合係数の変化や磁性体装着時における自己インダクタンス増加分の評価を行い,設計へのフィードバックとする事ができた. 以上により本給電方式を用いた電力伝送モジュールの製作が可能であり,さらにAUV内蔵型の充電回路等を組み込み,適切な耐圧処理を行うことで,コーン型コイルを用いた本給電システムを実在のAUVに適用することが可能である事がわかった.更には多くのAUVに対しても本給電方式を適用する際のコイル設計フローを提案することができた.
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Research Products
(3 results)