2005 Fiscal Year Annual Research Report
直流電気鉄道のレールと車輪間で発生するアーク放電の抑制
Project/Area Number |
16560238
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鶴田 浩一 茨城大学, 工学部, 教授 (40007779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳平 丈志 茨城大学, 工学部, 講師 (10323213)
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Keywords | 電気鉄道 / レール / アーク / アーク放電抑制 / エネルギー吸収 / スイッチング回路 / 電気接点 / 接点保護 |
Research Abstract |
直流電気鉄道では、車両がレールの絶縁部を通過する際にレール端部と車輪との間でアーク放電が発生する場合があり、レールの溶損および轟音が問題になっている。本研究では、キロアンペア級のき電電流によるアークの発生を抑制するための装置を開発し、アーク抑制効果を確認した。以下に平成17年度の研究実績の概要を記す。 エネルギー吸収方式によるアーク放電抑制装置の改良 平成16年度に製作したアーク放電抑制装置を改良した。この装置はレール電圧検出部、エネルギー吸収回路始動スイッチおよびエネルギー吸収用抵抗で構成される。今年度は、レールの溶損を低減するために必要なエネルギー吸収回路の応答特性と吸収継続時間の最適化を図り、装置の耐久性を向上させるために、まず、アークによる電極の加熱が開始されてから、電極が溶融するまでの接点部の温度上昇に関する有限要素法による数値計算を行った。この結果、アーク放電が開始してから、ある一定の時間が経過するまでの間はアークが発生していても電極の温度上昇による損耗はわずかであることが予想された。次いで、このことを実験により確かめるために、レール電圧検出部がアークの発生を検知してから、エネルギー吸収回路が始動させるまでの間に動作遅れ時間を設けた。そして、動作遅れ時間を変化させたときのアーク発生量の変化を、アークによる発光量および電極表面の損耗状態によって調べた。その結果、動作遅れが、ある時間よりも短い場合はアークによるクレーター形成や溶融痕は見られず、アーク放電抑制装置が無い場合に比べてアークによる溶損を著しく減少させることができた。これらの成果に基づきスイッチング回路を再設計し、平均故障寿命時間の計算を行った。
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Research Products
(1 results)