2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
加藤 正平 東洋大学, 工学部, 教授 (80103571)
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Keywords | サージ / 接地 / 配電用電柱 / モーメント法 / 変圧器 / 表皮効果 / 対撚り線 |
Research Abstract |
数値電磁界解析法を使用して、電気設備の過電圧発生を正確に予測する技術の確立を目的として研究を進めている。平成16年度では、数値電磁界解析用シミュレータの準備を行い、以下のような解析を行った。 風力発電設備は各地で、急速に建設、運転されつつあるが、風力エネルギーの豊富な場所は、高台で、見晴らしのよい地点が多く、発電設備に落雷する率が高くなる。数10メーターの地上高になる発電設備への落雷は、送電線路における鉄塔落雷や、高層ビルの避雷針への落雷に類似した現象ではあるが、機器ハウジング、タワー内の電気電子機器への影響については不明な点も多い。そこで、タワー内のケーブルに発生するサージ電圧をモーメント法で解析し、雷撃に対する有効な接地法について調べることを目的とした。その結果、風力発電タワー内のケーブルでは、非接地無負荷の条件で高い過電圧がタワー落雷時に発生する。負荷時でも数kVの過電圧が発生し、波頭峻度が高い場合にはさらに高い電圧になることを明らかにできた。 撚り線は、インピーダンスを下げ、ディファレンシャルモードのノイズを低減する効果があるため、信号線路に限らず、電力線路でも使用されるが、そのサージ特性については不明な点もある。最近の高速電力線通信(PLC)でも電力線の伝送特性が問題になる。また、配電線路の過電圧解析でも、サージの伝搬特性を明らかにすることが必要である。モーメント法は三次元配置の導体を容易にモデル化でき、送電線路のサージ解析に使用したが、あらたに単相線路の撚り数によってサージがどのように変化するかをモーメント法で調べた。特に、撚り数とサージインピーダンス、伝搬速度の関係を検討した。その結果、数回/メートル程度の撚り数では、サージ特性はストレート線とほとんど変わらないが、撚り数が増大すると、サージインピーダンスが数10%まで減少し、モーメント法を使用した数値電磁界解析法で、被覆電線からなる撚り線のサージ解析が可能であることを示した。 さらに、変圧器の過電圧解析で問題となる表皮効果が正確に模擬できることや、配電線路に使用する電柱のサージ特性を金属の表皮効果やコンクリートの導電率、木柱の導電率を考慮した解析モデルの作成も行い、そのモデルの精度は今後行う。
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Research Products
(3 results)