2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560256
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
加藤 正平 東洋大学, 工学部, 教授 (80103571)
|
Keywords | サージ / 接地 / 配電用電柱 / モーメント法 / 鉄心 / 表皮効果 / 対撚り線 |
Research Abstract |
数値電磁界解析法を使用した電気設備の過電圧発生予測技術の確立を目的として研究を進めた。 前年度に行った撚り線ケーブルのサージ特性解析法の精度を検証するために、実験を行った。解析結果と、測定結果を比較したところ、よい一致が得られ、解析法の妥当性が検証できた。さらに、線路のデファレンシャルモードに加え、コモンモードの解析も行い、サージ伝搬現象に伝搬速度から高速モードと低速モードの2つのモードが存在することが明らかになった。高速モードは、撚り線の隣り合う空間を直接伝搬する現象であり、低速モードは、撚り線に沿って伝搬するモードである。今後、コモンモードの解析と実験結果の比較、さらにモーメント法の特徴である様々な線路形態への応用性を検証する必要がある。 モーメント法で、変圧器の過電圧解析で問題となる表皮効果が正確に模擬できるか検討した。数値電磁界解析法のFDTD法による解析結果と比較したところ、解析法の妥当性が得られたが、今後実験との比較を行う。この比較計算より、FDTD法で低周波、あるいは長時間のシミュレーション時間を要する解析は困難ではあるが、直角波電圧を印加した場合のように、初期の現象が問題になる場合にはFDTD法は精度がよいことも明らかになった。この特徴を生かし、鉄心入りコイルの過渡現象を調べた。その結果、従来、サージ解析でコイルの等価回路に使用する静電容量は、励磁回路の電磁誘導によるインピーダンスの増加現象を表すものであり、電流の減少を近似するように巻線数や大きさから等価回路を決定できることを明らかにした。 配電線路に使用する電柱のサージ特性を金属の表皮効果やコンクリートの導電率、木柱の導電率を考慮したモデルのサージ解析を行い、モーメント法で電柱のサージ現象をシミュレーションできることを示すことができた。さらに実際の条件に近い、接地電極も加えたモデルに拡張して、実用的な解析法の確立を図る必要がある。
|
Research Products
(6 results)