2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560256
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
加藤 正平 Toyo University, 工学部, 教授 (80103571)
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Keywords | 雷サージ / 電磁界解析 / 変圧器 / 表皮効果 / 積層コア / インダクタンス / 突入電流 / モーメント法 |
Research Abstract |
変圧器の鉄心には、損失を低減するために積層構造の高透磁率の磁性体を使用する。これまで、多数の薄い鉄板を含む磁気特性を解析するには、透磁率の周波数特性を仮定した塊状モデルを使用してきたが、積層数やケイ素鋼板の磁気特性との関係は不明である。サージ解析では高周波成分の磁界によって表皮効果を取り扱う必要があり、本研究では、モーメント法やFDTD法を使用して変圧器のサージ特性を解析する場合に使用する鉄心の解析モデルを調べた。これまでの検討によって、パルストランスのようなフェライトを使用する場合には、塊状コアであっても、表皮効果を考慮した高周波特性の解析が可能であることを明らかにした。しかし、電力用変圧器では積層コアを使用するため、これを三角形パッチや6面体で分割近似することは計算資源の制限から困難である。しかし、変圧器を含む電気機器や設備のサージ解析には変圧器のモデルが必要である。 そこで、積層のコア内の磁束数と、塊状モデル内の磁束数が同じになるとしたモデルを考えた。このために、塊状モデル内への表皮深さと積層の表皮深さからコアの透磁率と導電率、積層数の関係を求めた。導電率の関係に積層数を組み入れ、さらに、抵抗損も同じになるようにできた。 解析モデルを実証するために、冷間圧延珪素鋼板を使用した実験を行い、実モデルの測定結果と計算モデルの解析結果を比較した。解析のステップ応答において、磁束の確立による逆起電力の影響を表す初期のピークは、測定結果と同様の電流立ち上がり特性が得られた。また、インダクタンスの特性が現れる遅い時間でも、両者に良い一致が得られることを明らかにすることができた。
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Research Products
(2 results)