2005 Fiscal Year Annual Research Report
データ類似性の均等化を考慮した高精度短期電力負荷予測
Project/Area Number |
16560257
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
森 啓之 明治大学, 理工学部, 教授 (70174381)
|
Keywords | ニューラルネットワーク / リスク解析 / モンテカルロシミュレーシ / ガウシアンプロセス / ベイズの定理 / モーメント調整法 / 極値理論 |
Research Abstract |
本年度は、電力系統におけるニューラルネット(ANN)に基づく短期電力負荷予測においデモデル精度向上を2つの確率理論の立場から行った。1つは、モンテカルロシミュレーションに基づく短期電力負荷予測のリスク解析法である。入力データにモーメント調整法を適用し、ANNの入力データを作成した。ANNの出力の予測分布に極値理論を適用し、2つのリスク指標を評価した。それらは、過去に記録した最大電力実績値を超過する確率および条件付期待値である。本研究では,通常の予測モデルに対して予測値の不確定性の導入を図り,予測分布の極値に注目した。ここで,極値とは分布の裾を意味する。翌日の負荷予測値が複数得られた場合,予測分布の極値は低い発生頻度である。しかし,これらのシナリオは系統に影響を与える可能性があり,事前に回避する必要がある。そこで,本稿では天候データを入力変数とし,モンテカルロ法により得られる予測シナリオに極値理論(以下,EVTと略記)を適用する。ANNの入力シナリオデータを生成する際,モデルデータの1次から3次モーメントの調整を行う種々のモーメント調整法を使用した。その中で対称変量法と2次サンプリング法の併用法が良好な結果を示すことを確認した。得られた翌日最大電力予測分布における各二つのリスク指標は最高気温の変動に類似した変化を示した。各リスク指標は,夏季における最高気温が高く推移する時期にピークを迎える傾向にある。また,RBFNにおいては,最高気温ともに最小湿度の前日差も推定値の精度に影響を与えることを確認した。もう一つは、ガウシアンプロセス(GP)により、出力の確率分布を求め、予測値のエラーバー評価する手法を研究した。GPは,予測を点推定ではなく予測分布を用いて行った。これにより,従来法では不可能だったエラーバーの算出が可能となり,短期電力負荷予測における不確定性を効率よく算出した。GPは共分散関数において各次元に重みを決定し,それをベイズの定理から決定した。これにより,従来よりも柔軟な予測を行うことが可能となった。即ち,重みを自動的に決定するアルゴリズムを翌日最大電力負荷予測の実データに適用した結果,従来法よりも平均誤差・最大誤差共に削減された。
|
Research Products
(4 results)