Research Abstract |
初年度は,研究実施計画書に記載の通り,風力・マイクロ水力用に開発中の新型誘導発電機("PM誘導発電機"と呼称)について,モデル2号機を設計・製作し,その性能試験を実施した。 具体的な成果は,以下の通りである。 〔I〕開発機に特化した新規な磁界解析法を構築し,それを基に,出力2.2kW,電圧220V,周波数60Hz,極数4極のダンパ(機能)付きモデル2号機を設計・製作した。 計画の初期段階(研究実施計画作成段階)では,かご形ロータに内蔵するPMロータに直接ダンパ巻線を装着する予定であったが,試作メーカと検討した結果,構造が著しく複雑化し,得られるメリットが少ないとの結論に達した。このため,急遽PMロータの表面に鉄心部を設け,これによりダンパ作用(機能)を持たせることにした。本年度はこの変更案に基づいて,磁界解析を実施し,ロータの形状設計を行って上述のモデル2号機の製作を行った。 〔II〕モデル2号機の通電試験と性能試験を実施した。 (1)試作機に問題がないか,任意の系統電圧に対して通電試験を実施した。これにより,基本動作を検証した。 (2)モデル2号機の定常性能を定量的に把握するため,定常パラメータを実測した。 (3)発電機を接続する系統は三相と単相があるが,初年度は三相系統に対してモデル2号機の性能試験を実施した。具体的には,突入電流の測定試験,力率・高率特性を中心に,開発機の定常性能を実測した。その結果,ダンパ機能を付加したモデル2号機は,モデル1号機(平成14〜15年度科学研究費で試作済みのもの)と異なる動作を示すことが判明した。 今後は,引き続きモデル1号機と定常性能を比較しながら,ダンパ機能を明確にするため過渡特性を解析する予定である。
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