2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560266
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Research Institution | Kumamoto National College of Technology |
Principal Investigator |
大田 一郎 独立行政法人国立高等専門学校機構, 熊本電波工業高等専門学校・情報通信工学科, 教授 (60149995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 憲昭 独立行政法人国立高等専門学校機構, 熊本電波工業高等専門学校・情報通信工学科, 教授 (90044700)
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Keywords | ACアダプタ / スイッチトキャパシタ回路 / コイルレス / AC-DCコンバータ / 電源の集積化 / 小型軽量 / 電磁ノイズ / 低雑音 |
Research Abstract |
ノートパソコンなどの携帯用情報機器に使われている現在のACアダプタは,大きく重たく邪魔になるものである.その主な原因は,コイルやトランスなどの磁性部品を用いた回路構成にある.コイルやトランスなどは小型化が困難なだけでなく,電磁ノイズを発生して他の信号処理回路を誤動作する恐れがある.本研究では,コイルやトランスを使わずに,コンデンサとICスイッチだけで電圧変換できるスイッチトキャパシタ(SC)回路を用いて,超小型軽量のACアダプタを実現する. 初年度は,計算機シミュレーションによって提案回路の特性を明らかにした(本報告書の研究発表論文参照).これによると商用電源100V/60Hzから80%の高い電力変換効率で20V(2.5A,50W)の直流電圧を得ることができた.使用するキャパシタは30μFのキャパシタ6個と23個のMOSFETである.従来のコイルレスAC-DCコンバータで同程度の直流電力を得るには,300μFのキャパシタ4個と13個のMOSFETが必要であった(電子情報通信学会論文誌,vol.J76-C-II,no.6,pp.422-431,June 1993参照).MOSFETの個数では増加しているが,MOSFETの領域はチップ化することで回路全体に対する割合を小さくできる.一方,キャパシタの個数と容量値は回路の主要な領域を占める.総容量で比較すると,従来方式の総容量1,200μFに対して,提案方式の総容量は180μFと約1/7に軽減できることがわかる. また,計算機シミュレーションと並行して,個別部品を用いて回路を試作し,実験により提案回路の特性検証を試みている.現在,クロック発生回路,FETドライバ回路,オン抵抗制御回路と各回路ブロックの動作確認は済んでおり,正常な出力波形が得られている.今後,これらの回路ブロックを組み合わせて回路全体の動作試験と特性試験を行う予定である.
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Research Products
(2 results)