2005 Fiscal Year Annual Research Report
多環式化合物を添加したポリエチレンによる電気トリー発生の抑制
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16560268
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
山野 芳昭 千葉大学, 教育学部, 教授 (90134791)
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| Keywords | 電気トリー / ポリエチレン / 添加剤 / アントラセン |
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| Research Abstract |
多環芳香族系物質をLDPE(低密度ポリエチレン)に添加した材料を用いて、電気トリー(以下トリー)の発生電圧の上昇特性について検討を行った。実験に用いた添加剤は、naphtalene(Nf),anthracene(An),tetracene(Te),pentacene(Pn)および9,10bromo-anthracene(Br-An)である。前年度の研究で、Anを添加するとトリー発生電圧が無添加と比較して約4倍の上昇が観測された。今年度は、An添加LDPEにおいてトリー発生電圧が上昇する原因について検討を行った。以下に、その概要を示す。
1.電界発光のスペクトルを観測した結果、An,TeおよびBr_Anを添加した試料において、添加剤自体からの発光と考えられるスペクトルが観測された。
2.フィルム状試料を用いて誘電特性の測定を行った結果、たとえば60Hzにおいて、無添加LDPEとAn添加LDPEとを比較すると、比誘電率および誘電正接はそれぞれ2.26→2.16および1.3×10^<-3>→0.6×10^<-3>へ低下する。
3.フィルム状試料を用いて導電電流特性を測定したところ、約30℃〜60℃において、AnおよびBr_An添加LDPEの導電電流は無添加と比較して約1桁少なくなることがわかった。
4.これらの結果と前年度の成果とから、An添加によるトリー発生電圧の上昇は、An添加によるLDPEのラメラが密に並ぶモロフォロジーの変化にもとなって、バルク中のフリーボリュームが減少していることに起因すると考えられた。なお、Br_AnもAnと同様のモロフォロジーの変化が若干観測されるが、バルク中でBr_Anは針状微結晶となるため、平板状微結晶を形成するAnと比べて、トリー発生電圧がAnほど上昇しないものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
