2004 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡を用いた微小強磁性トンネル接合の作製評価と帯電効果の検証
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16560269
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
竹村 泰司 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30251763)
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Keywords | 原子間力顕微鏡(AFM) / 強磁性トンネル接合 / クーロンブロッケイド |
Research Abstract |
帯電効果を検証するための微小強磁性トンネル接合の基盤構造となるNi/NiO系プレーナ型2重強磁性トンネル接合の作製を試みた。高周波マグネトロンスパッタ装置にて成膜したNi薄膜(膜厚8〜20nm)を電子線リソグラフィまたはフォトリソグラフィとドライエッチングによりパターニングする。このパターン薄膜にAFM局所酸化を施すことにより、Ni/NiOプレーナ型2重強磁性トンネル接合の作製に成功した。基板には熱酸化Si基板(SiO2/Si基板)を用いた。 作製したプレーナ型強磁性トンネル接合は室温にてもダイオード特性を示したことから、AFM局所酸化により形成したNiOが障壁層として機能していることを確認した。また初期的ではあるがトンネル磁気抵抗効果(TMR効果)の評価も開始している。詳細は次年度も継続して研究を遂行するが、いわゆるエッジドメインの磁化方向に依存するトンネル磁気抵抗効果と解釈される特性も得られており、従来の積層型強磁性トンネル接合とは異なる素子特性が期待される。 またプレーナ型強磁性トンネル接合のトンネル磁気抵抗効果を制御するためには、強磁性金属電極(Ni)の磁化制御・磁区構造制御が不可欠である。これまでにAFM局所酸化加工をベースとしたナノリソグラフィにより磁区構造を分割制御可能なことを示してきたが、今年度の研究実施により、さらに磁気異方性制御の可能性を見いだした。これはAFM加工により形状異方性を応用して、磁化容易磁区とは異なる方向の安定磁区を形成させる手法である。微小強磁性素子の磁化制御に有用であると期待される。
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Research Products
(2 results)