2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶半導体を用いた新規自発光型フラットパネルディスプレイデバイスの開発
Project/Area Number |
16560273
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
外山 利彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10294159)
|
Keywords | ナノ結晶 / ZnS / 過渡発光波形 / Tm / フルカラー / 2重絶縁型構造 / 低電圧駆動 / エレクトロルミネッセンス |
Research Abstract |
本年度は、ZnSナノ結晶を発光層に用いた交流駆動薄膜エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関する性能向上ならびにフルカラー化に関する研究、特にTm化合物を添加したZnSナノ結晶からの青色発光素子の試作および過渡発光波形によるデバイス動作解析に重点を置き研究を行った。素子構造は、素子安定化・高輝度化に有利な二重絶縁構造とした。透明電極付きガラス基板上にTa_2O_5誘電体層/ZnSナノ結晶発光層/Ta_2O_5誘電体層/Al電極を順次形成した。ZnSナノ結晶は、低温製膜・大面積化に有利な多元スパッタ法を用い、結晶成長を遮断するSi_3N_4層との交互積層により、作製した。本方法では、結晶粒径は、成長時間にほぼ対応することが、これまでの実験により明らかとなっており、結晶粒径の異なるナノ結晶の作製がほぼ確立されている。まず、青色発光に関して、TmF_3添加により駆動電圧108V_<0-p>において最高輝度0.33cd/m^2の発光を得た。また、CIE色度は(0.31,0.31)であり、現時点では、色純度、輝度とも十分ではないが、ナノ結晶EL素子においてこれまでの研究結果と合わせて、光の三原色が揃い、フルカラー化が可能であることを実証した。更なる高輝度化を目指すため、EL発光の過渡解析を行った。その結果、周波数が増加するにつれ、透明電極側が負極の時のEL発光が、Al電極が負極の時より、著しく低いことが明らかとなった。これは、両電極とTa_2O_5誘電体層の界面からの電子注入が異なることを示唆する結果であり、これを改善するべく、Ta_2O_5に微量Snを添加したTa_<2-x>Sn_xO_5薄膜の作製ならびに誘電体層への適応に関する実験を行った。
|
Research Products
(5 results)