2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶半導体を用いた新規自発光型フラットパネルディスプレイデバイスの開発
Project/Area Number |
16560273
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
外山 利彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10294159)
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Keywords | ナノ結晶 / ZnS / 動作解析 / ホットエレクトロン / フルカラー / 2重絶縁型構造 / 低電圧駆動 / エレクトロルミネッセンス |
Research Abstract |
本年度は、ZnSナノ結晶を発光層に用いた交流駆動薄膜エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関して、デバイス動作解析を通して輝度・発光効率などの性能向上を図った。素子構造は、素子安定化・高輝度化に有利な二重絶縁構造とした。透明電極付きガラス基板上に誘電体層/ZnSナノ結晶発光層/誘電体層/Al電極を順次形成した。ZnSナノ結晶は、低温製膜・大面積化に有利な多元スパッタ法を用い、結晶成長を遮断する層間絶縁層との交互積層により、作製した。過渡移動電荷量解析の結果、ZnSナノ結晶層の厚み8nm、Si_3N_4誘電体層、AlN層間絶縁層が輝度向上に特に有効であるとの知見を得た。また、EL発光スペクトル解析より、ナノ結晶層への印加電界の増加にともない、高エネルギーバンドの相対発光強度が増大することが明らかとなった。これは、ナノ結晶層からのELの発光機構が、電界により加速されたホットエレクトロンに起因する発光中心の励起・発光機構、すなわち従来の二重絶縁型EL素子と同様の機構であることが示唆された初めての結果である。これらの知見を基にナノ結晶半導体EL素子の高輝度化に取り組んだ結果、ZnS:Mn赤色発光素子で150cd/m^2、ZnS:Tb緑色発光素子で170cd/m^2を超える最高輝度を得た。この結果、研究初期段階の最高輝度に対し、赤色では100倍以上改善を達成した。さらに、前年度の研究結果であるZnS:Tm青色発光素子と合わせ、RGBフルカラーディスプレイデバイスの試作を行った。
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Research Products
(6 results)