2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁性体被覆誘電体粒子を用いた複合電磁波吸収体の開発と評価
Project/Area Number |
16560282
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
吉門 進三 同志社大学, 工学部, 教授 (00158403)
|
Keywords | Ni-Znフェライト / SiO_2 / 複合体 / 複素透磁率 / 表面コーティング / スプレー法 / メカニカルミリング / 複素誘電率 |
Research Abstract |
本研究ではNi-ZnフェライトとSiO_2による複合体を用いた金属板を裏打ちした単層型電磁波吸収体材料の開発および特性評価を行っている.Ni-Znフェライトの組成比や,SiO_2との混合比,また少量の添加物を加えることによって数百MHzから数GHzで実用的な電磁波吸収体が得られる.また電磁波吸収体を設計するにあたり物質の複素比透磁率および複素比誘電率を知ることは必要不可欠で,この値を与える法則としてLichteneckerの対数混合則が知られている.Ni-ZnフェライトとSiO_2を用いた複合電磁波吸収体材料においてもよくその値を示す.しかしNi-Znフェライト粒子もしくはSiO_2粒子が複合体中に孤立する場合にはLichteneckerの対数混合則には従わないことが報告されている. より実際に近い孤立モデルを用いたシミュレーションにより低周波における複素透磁率が実測値に近くなることが分かった.しかし複素透磁率の広範囲の周波数領域に渡る周波数特性の定積的な説明として,電磁波の波長が長い低周波ではフェライト粒子間に強い連鎖があっても,Lichteneckerの対数混合則に従い,波長が短い1GHz以上の高周波ではSiO_2粒子が整然と整列した孤立モデルでよく説明されるとの結論を得た.従って,電磁波吸収体材料を設計する場合,高い精度でその性能を予測できることが分かった. メカニカルミリングを用いて短時間で混合した場合SiO_2粒子をNi-Znフェライトでほぼ完全な被覆が可能であることが分かった.この試料を用いて作製した複合体において複素比誘電率が大幅に低下し,MnCO_3等の添加物を添加することなく低周波側でも高周波側でも良好な吸収特性を示す電磁波吸収体材料を作製することが可能であることが明らかになった.
|
Research Products
(3 results)