2005 Fiscal Year Annual Research Report
高速液晶素子を用いた時分割多方向画像方式三次元ディスプレイの設計および試作
Project/Area Number |
16560290
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮下 哲哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10239402)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / デバイス設計・製造プロセス / ディスプレイ / 三次元 / 液晶 |
Research Abstract |
時分割方式三次元ディスプレイは、高速動作の液晶による表示部と高速に光の方向を制御するバックライト部によって構成する。この表示部とバックライト部についてそれぞれ設計条件の確立が必要である。 表示部では高速表示可能な液晶パネルの設計が重要である。この設計指針は、本研究者が実施している時分割カラー液晶ディスプレイのための液晶ディスプレイの高速化と共通である。この結果から液晶パネルの設計及び液晶材料の選択により、6方向の多眼式の三次元ディスプレイが現時点で実現可能であることが示された。 バックライト部分は、本方式の実現上で特に重要な部分であり、こちらに主眼を置いて研究した。表示部以上の大きさの全面から出る光の方向を効率良く高速で変化させることのできるデバイスについて検討した。ここで、射出する光の偏向角度を電圧によって連続的に変化できる液晶プリズムに着目し、微細形状を持つプリズムシートを用いて液晶プリズムアレイを構成し、全面で光の進行方向を制御できる新しいバックライトを考案し、その設計条件を明らかにした。この設計に基づいて、光方向制御バックライトを実際に試作した。必要条件を満たす光学シートが実現できず一部の特性が異なるが、動作の確認はできる。実際に印加電圧を制御して光の方向を制御できること、及び特殊な液晶の駆動を行う新しい設計によりオンオフ共に高速動作することを確認した。これにより本設計理論の妥当性を確認した。同時に、高速動作の必要性から液晶の応答の過渡状態を利用することは難しく、当初予定していた連続的に変化させることは難しいという課題が明らかになった。 以上、高効率高速光方向制御バックライトの基本的な考えとその設計理論は妥当であること、動作上の課題を明らかにすることに成功した。
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Research Products
(4 results)