2005 Fiscal Year Annual Research Report
多モード干渉(MMI)光導波路カプラを用いたモード多重素子の試作
Project/Area Number |
16560298
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
堤 喜代司 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50111993)
|
Keywords | 光導波路 / 多モード干渉導波路カプラ / 導波モードの多重 / 電子ビーム描画 / ステージ移動による描画 / インチワームモータ |
Research Abstract |
本研究で導波路パターンの描画に用いる電子ビーム描画システムは、インチワームモータをアクチュエータとする精密微動ステージをもっている。本システムは、ステージ移動を用いた描画により、電子ビーム走査に比べて格段にサイズの大きいパターンを、小さいパターンのつなぎを行うことなく、描くことができる。ステージに取り付けた光学式エンコーダにより、適宜、ステージの移動量を知ることができるが、ステージの移動命令とエンコーダのデータ取り込み命令の与え方によっては、ステージの移動距離の誤差が累積してパターンの正確な描画ができない。また、エンコーダからのデータ取り込みを頻繁に行うと、ステージの移動速度が遅くなり、描画に要する時間が長くなる。そこで、描画されるパターンの寸法精度を向上し、かつ描画に要する時間を短くするため、ステージの移動の仕方について検討を行った。移動速度はインチワームモータに与えるパルスの繰り返し周波数でほぼ決定されるが、実際の移動距離にはばらつきがあり、パルス列を与えている時間、いいかえるとパルス数によって、移動距離の誤差率が変化し、パルス数が少ないほど誤差率が大きくなり、そのばらつきも大きくなることがわかった。誤差が生じたとしても、目標とする位置を越えることのない位置(目標位置までのほぼ70%)まではエンコーダ取り込みなしで移動し、そのあと、エンコーダにより得た現在位置から目標位置までの距離のほぼ55%だけ移動することを繰り返す。このステージ移動命令とエンコーダデータ取り込み命令の与え方によって、1mmの移動に対して平均で10nm未満、最大で100nm未満の距離誤差で移動することができた。ハニカム導波路パターンの描画を行ったところ、目標位置の手前で線幅が太くなる現象が見られた。今後、電子ビームのブランキングを適宜行う必要があると考えている。
|