2005 Fiscal Year Annual Research Report
鉄膜を用いた磁気同調型マイクロ波回路素子に関する研究
Project/Area Number |
16560299
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
島崎 仁司 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20226202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 正博 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70335313)
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Keywords | マイクロ波 / 磁性体 / 鉄 / 磁気同調 / マイクロストリップ線路 / フィルタ / 帯域阻止 / ストリップ幅 |
Research Abstract |
これまで磁性体として鉄膜を使った同調型マイクロ波デバイスが提案され,鉄の飽和磁化がフェライトのそれに比べて大きいことから,必要な直流バイアス磁界が小さく,動作周波数範囲が極めて広いなどの特長が示されてきた.研究代表者らはこれまで,直流バイアス磁界の大きさによって決まる強磁性共鳴周波数付近において帯域阻止特性を示すマイクロストリップ線路について報告し,次いで飽和磁化の異なる複数の鉄膜をストリップ導体に含む場合の阻止帯域の帯域幅の増加について報告した. 本年度は,理論解析としてはマイクロストリップ線路のストリップ導体の幅がマイクロ波伝搬の特性,特に減衰特性に与える影響を調べるため,ストリップ幅を考慮に入れた3次元解析を行った.昨年度は2次元モデルによる伝搬特性の解析を行ったが,伝送量における最大減衰量はこれまで報告されている実験結果と比べて理論から予測される値の方が小さいものであった.解析モデルとしては半導体基板上全体に鉄膜があり,その上にストリップ導体がある線路を考え,シールド構造で解析するために,上方および両側に仮想導体壁を置く.ストリップ導体は完全導体とし,厚みは無視する.鉄の透磁率は,テンソル透磁率の対角成分および非対角成分から計算できる実効透磁率を用いた.そして解析法としてはスペクトル領域法を用いた.計算の結果,、阻止帯域における最大減衰量はストリップ幅が小さくなるほど大きくなり,2次元モデルの結果から乖離して実験結果に近づくことを確認した. また,セラミックを基板とし鉄薄膜を含むストリップ導体をもつ線路を作製し,伝搬特性の測定を行ったが、期待される特性は得られなかった.
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Research Products
(3 results)