2005 Fiscal Year Annual Research Report
超小型高出力ハイパーコヒーレントブルーレイ半導体レーザ光源の開発
Project/Area Number |
16560315
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
佐々木 和可緒 同志社大学, 工学部, 助教授 (90178674)
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Keywords | ブルーレイレーザ / DVD用半導体レーザ光源 / 単一モード発振 / 偏光制御 / ファブリ・ペロー共振器 / ハイパーコヒーレントレーザ / 周波数安定化 / 動作温度制御 |
Research Abstract |
2005(平成17)年度は標記研究課題の第2年度として、2004年度に得られた成果を踏まえ、0.5W級ブルーレイ領域半導体レーザ試料のモード安定化並びに周波数安定化を行った。2004年度に得られた知見に基づいて0.5W級可視光半導体レーザ試料に適した制御アルゴリズム、光学系の設計・構築を行い当該レーザ光源の高コヒーレント化を達成した。定量的評価の指標として、高コヒーレント化に関する知見が豊富な市販の赤色半導体レーザ試料を用いてブルーレイレーザ試料と同一の条件下で比較測定を行った。具体的な成果としては、市販の0.65W型ブルーレイ領域半導体レーザの試料複数について、発振モードの性状を測定した上でコヒーレント化に適した試料を選抜しモード安定化及び雑音制御を達成し周波数安定化を実現できた。この過程で、市販の0.5W型赤色半導体レーザの雑音特性と比較検討を行った。その結果、ブルーレイ領域半導体レーザでは、戻り光雑音誘起時において約300MHzの高周波をレーザ駆動電流に重畳すると、従来同様の手法で雑音低減が図られて来た赤色半導体レーザに比べて約6dB程度の相対雑音強度値の改善がみられることが明らかとなった。また、同様の赤色及びブルーレイ領域半導体レーザについて、戻り光の偏光を制御して雑音特性を比較した。波長板を用いてLD出射光の偏光軸に対し,戻り光の偏光軸を傾けることによって戻り光による干渉雑音を抑制するものである.その結果、300Hz高周波重畳時、戻り光の偏光角を制御すると赤色、青色ともに相対雑音強度(RIN : Relative Intensity Noise)を低減でき、とくに青色ではその効果が顕著で最大約20dB程度のRIN値の低減が見られた。RIN値の特性は、戻り光量や外部共振器長、偏光角の変化に応じて周期的に変化するが、RIN値低減の最適条件が存在することが明らかになった。波長板を回転させて戻り光の偏光軸を傾けたとき,その傾けた角度が大きいほど,大きい雑音抑制効果が得られることを見出した.特に偏光軸を90゜傾けたとき,通常観測される距離の変化に対するRIN値の周期的なピーク等は現われず,雑音は20%以上抑制されることを初めて明らかにした.また雑音の平均レベルにおいては,従来広く用いられてきた高周波重畳の結果に匹敵するほどの低減を達成している.このような雑音特性及び発振モード特性を踏まえ、市販の0.65W型ブルーレイ領域半導体レーザの動作温度を安定化し、15℃に保持するよう制御することによって初めて単一モード動作を達成し、ファブリペロ共振器を周波数基準に用いて周波数安定化に成功した。達成できた周波数安定度はアラン分散の平方根を指標として10-11以下であった。
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Research Products
(1 results)