2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ微細構造に基づく波長多重・偏光多重光記録媒質の研究
Project/Area Number |
16560318
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
馬場 一隆 仙台電波工業高等専門学校, 教授 (10192709)
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Keywords | 光メモリ / 追記型光ディスク / 偏光多重光記録 / ナノクラスター / 島状金属薄膜 / 偏光素子 / 波長多重光記録 / 波長合分波器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ナノメートルサイズの金属微粒子からなる薄膜(島状金属薄膜)を光記録層として用いる波長多重光記録媒質及び偏光多重光記録媒質について、その実現が可能である事を理論的・実験的に示す事にある。島状金属薄膜は、連続な構造の金属薄膜とは異なり、可視から近赤外領域の波長領域において共鳴吸収特性を示し、共鳴波長近傍の光に対して波長選択性を示すとともに、大きな光学的異方性を示すことが知られている。本年度は、主に理論面での研究を進あるとともに、実験装置の準備を行った。 先ず、波長多重光記録媒質については、薄膜1層当たりの最適な反射率や吸収率を10〜20%程度とし、金属として銀を用いて、波長500nmから900nmの範囲で理論的にどの程度の波長多重化が可能か検討を行った。その結果、銀微粒子のアスペクト比を1.5から3.8の範囲で制御することにより4波長程度の波長多重化が可能であることが分かった。 次に、偏光多重光記録媒質については、金属粒子が特定の方向に傾斜した特殊な薄膜を材料としてもちいるが、銀を金属材料として選択し、微粒子のサイズや形、傾斜方向がきれいにそろった理想的な薄膜について、微粒のアスペクト比、傾斜角、大きさ、密度等と薄膜の光学特性の関係について検討した。その結果、理想的な構造の薄膜が得られれば、十分な消光比の偏光多重光記録媒質として使用できること、使用波長帯は粒子のアスペクト比のみにより決まること、傾斜角や密度等により薄膜の吸収率や反射率を制御できることが明らかになった。 また、波長多重・偏光多重光記録媒質用光ピックアップの構成要素である偏光子や波長合分波器についても新しい素子構造の提案を行い、良好な特性が得られることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)