| Research Abstract |
1.バーチャルセルラネットワーク(VCN)におけるマルチホップ経路構築法の研究
これまで,マルチホップVCNにおいてマルチホップ最大比合成(MHMRC)ダイバーシチを提案し,その送信電力低減効果を示してきた.本報告期間では,複数のルートを用いるマルチルートMHMRCダイバーシチを適用することによりさらに送信電力を低減できることを示した.さらに,干渉電力のモデル化を行い,提案したマルチルートMHMRCダイバーシチを適用することにより,リンク容量を増大できる可能性があることを示した.
2. VCNにおけるリソース割当て法の研究
オンデマンド型チャネル割当法とマルチホップリンクについて先にチャネル割当を行なうプリアサイン型チャネル割当法の比較を行い,オンデマンド型チャネル割当法の方が良好な呼損率特性を得られることを示した.また,マルチホップVCNでは,移動局と中央ポートの間のマルチホップルートリンクのうち一つでもチャネル割り当てに失敗すると,呼損が発生してしまう.そこで,呼損を低減するためにチャネル割当に失敗したリンクをマルチホップルート上から削除してルート短縮する中継経路短縮法を提案し,計算機シミュレーションによりその有効性を示した.
3.ブロードバンド無線パケット伝送法の研究
パケット通信ではパケットが衝突したときも,受信電力に差がある場合には受信電力の大きなパケットは復調可能となるキャプチャ効果が知られている.強制的に送信電力に揺らぎを与えるランダム送信電力制御法を適用することにより,このキャプチャ効果を得ることができ,リンク容量を増大できる可能性がある.また,DS-CDMAでは,同一周波数帯域を全てのユーザが全てのセルで共有できるが,隣接セルから大きな干渉を受けてしまう.もし,与えられた周波数帯域を複数の周波数チャネルに分割し,各ユーザが適当な周波数チャネルを選択して送信することができれば,隣接セルからの大きな干渉を避けることができる.本報告期間では,帯域分割とランダムTPCを併用するときのDS-CDMAスロッテッドアロハのスループット及びリンク容量を求め,帯域分割を用いることにより,スループットとリンク容量を増大できる可能性があることを明らかにした.
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