2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560323
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
阪田 省二郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20064157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 正純 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90242346)
藤沢 匡哉 東京理科大学, 第二工学部, 助手 (10345431)
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Keywords | 情報通信工学 / 代数学 / 代数幾何符号 / 高速復号法 / BMSアルゴリズム / 一般化代数幾何符号 / リスト復号 / 誤り訂正符号 |
Research Abstract |
本研究は、従来本研究代表者が着々と行ってきた代数幾何符号の効率的な復号法の研究をさらに発展させ、一般化代数幾何符号を含むより広い符号クラスに対し、ディジタルな硬判定に基づく限界距離復号法だけでなく、一般化最小距離復号、リスト復号等の新しい手法も採り入れ、最適な最尤復号に迫る軟判定復号を高速に実現できる方法を導くとともに、将来のために過去の復号法の研究を集大成し、その体系化を目指す。同時に、このような理論体系の構築ばかりでなく、具体的な個々の高速復号アルゴリズムについて、それぞれの実際的な特徴、性能を明らかにすることが目的である。 昨年度からの研究継続の中で得られた成果として、リスト復号の第1段階の補間多項式の高速な導出、および、第2段階の因数分解の両方で用いられている「複数の配列に対するBMS(Berlekamp-Massey-Sakata)アルゴリズム」の改良に連係する成果として、まず、複数の(1次元)配列に対するBerlekamp-Masseyアルゴリズムについて、それが1個の配列に対する(オリジナルの)Berlekamp-Masseyアルゴリズムの単純な修正版の反復により実現出来ることを明らかにしたが、その成果を、2005年9月、オーストラリアのAdelaideにて開催されたISIT-2005(2005年IEEE国際情報理論シンポジウム)で発表した。さらに、BMSアルゴリズムに基づく、代数幾何符号の復号法を高速化する有力な方法としてシストリックアレイを用いたアーキテクチャ構成法の研究を以前からも行ってきたが、その成果の一部を、共著論文として、IEEE Transactions on Information Theoryに掲載した。特に、その重要な寄与の一つは、過去の研究で残されていた誤り訂正個数を符号の設計距離の半分まで大きくするためにBMSアルゴリズムに多数決論理を組み合せる手続きをアーキテクチャの中に組み込んだことであるが、これは現実のハードウエアとして復号器を実現する可能性をより大きくしたことになる。一方、昨年度ヨーロッパで出版された符号理論の教科書(J.Justesen, T.Hoeholdt, A Course in Error-Correcting Codes, European Mathematical Society,2004)を翻訳(共訳)し、森北出版株式会社から「誤り訂正符号入門」という題目で刊行した。
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Research Products
(4 results)