2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560323
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
阪田 省二郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20064157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 正純 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90242346)
藤沢 匡哉 東京理科大学, 第二工学部, 助手 (10345431)
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Keywords | 情報通信工学 / 代数学 / 代数幾何符号 / 高速復号法 / BMSアルゴリズム / 一般化代数幾何符号 / リスト復号 / 誤り訂正符号 |
Research Abstract |
本研究は、従来本研究代表者が着々と行ってきた代数幾何符号の効率的な復号法の研究をさらに発展させ、一般化代数幾何符号を含むより広い符号クラスに対し、ディジタルな硬判定に基づく限界距離復号法だけでなく、一般化最小距離復号、リスト復号等の新しい手法も採り入れ、最適な最尤復号に迫る軟判定復号を高速に実現できる方法を導くとともに、将来のために過去の復号法の研究を集大成し、その体系化を目指す。同時に、このような理論体系の構築ばかりでなく、具体的な個々の高速復号アルゴリズムについて、それぞれの実際的な特徴、性能を明らかにすることが目的である。 本研究課題の最終である本年度は、国外でのワークショプ(オーストリア、リンツ大学、5月)、および、国内での研究集会(京都大学数理研究所、8月)と研究会(SITA-2006、函館)において、過去の関連研究の総まとめの内容を含む招待講演を行った。以上の内容は、国外でのものについては、論文集として出版される予定のワークショップProceedingsに掲載見込みであり、国内でのもののうち、第1のものは、数学書房から平成18年7月に出版された書籍「グレブナー基底の現在」に掲載、第2のものは、電子情報通信学会技術研究報告として出版されている。一方、従来は、所謂、双対符号と呼ばれる代数的符号の部分クラスを対象にした復号法の研究が主に行われてきたが、最近、主符号に対する復号法が与えられたので、その高速化に取り組んだ。その方向の一環として、まず、本研究代表者が提案したBerlekamp-Masseyアルゴリズムのベクトル的拡張版が、RS符号に対するWelch-Berlekamp復号アルゴリズムの代替として有効であることを示した。それに引き続き、代数曲線符号(主符号)に対する高速復号法についての研究成果を、翌年(平成19年)6月、フランスのNieceにて開催されるISIT-2007(2007年IEEE国際情報理論シンポジウム)で発表すべく、共著論文の投稿を行った。さらに、新たな取り組みとして始めた2点代数曲線符号の高速復号法に対する成果も、同じISIT-2007に向けて投稿を行った。これは、従来の高速復号法が適用されるのが、定義代数曲線上の特定の1点にのみ極を持つ代数関数によって定められる1点符号であったのに対し、定義代数曲線上の特定の2点に極を持つ代数関数によって定められる2点符号にも適用できるように拡張したものである。以上のように、新たな展開を含みつつ、従来の様々な復号法の集大成に向けて、研究成果を重ねてきた。未だ、これらの集大成は完成したものとは言えないが、その方向への着実な前進を行ったと考えている。
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Research Products
(3 results)