2004 Fiscal Year Annual Research Report
算術符号の符号語生成過程の解析と系列分布変換への応用
Project/Area Number |
16560326
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
森田 啓義 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (80166420)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西新 幹彦 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (90333492)
|
Keywords | 算術符号 / 分布変換 / ターゲット分布 / 語頭フリー符号 / 実時間符号化 |
Research Abstract |
本年度は,算術符号の符号語の終端部分に含まれている.語頭フリー符号としては冗長な部分の平均長さに関する理論的な評価を完成させた.さらに,生成したい先の確率分布(ターゲット分布)に対応した算術符号の復号器によって,生成元の情報源出力系列をターゲット分布に従う系列に変換する場合に生じるうる二つの問題,すなわち,1)復号課程をどこで停止すればよいか,2)変換された系列から生成元の情報源の確率分布に対応した符号器を用いて元の系列を正確に逆変換できるか,を同時に解決するアルゴリズムを開発した. とくに,どれだけシンボルを復号すれば逆変換が正しく行えるかという問題は,算術復号の際に用いられるある二つのレジスタのビットパターンに依存していることを明らかにした.これら二つのレジスタのビットパターンがある条件を満たすまで復号を続ければ,かならずもとの系列が再現される.そので,この条件を復号化アルゴリズムに組み込んだアルゴリズムを作成した.これによって,逆変換を行う符号器にはなんの変更を行うことなく,もとの系列を正しく復元することが可能になった. 加えて,情報源からシンボルが発生する時間間隔を考慮した符号化・復号化プロセスを考察した.シンボル発生の時間間隔がある確率分布に従うとき,一つのシンボルに対応する符号語が出力し終わるまでにつぎのシンボルが到着すると,新しく到着したシンボルの符号語の出力が始まり,すでに部分的に出力されていた前のシンボルの符号語全体が棄却されてしまう状況を考える.この条件の下で,復元誤り確率と符号化レートの関係を明らかにした.ところで算術復号器によって分布変換されたシンボルの生成時刻の間隔は一定ではなく,復号器と符号器を同時に動かして実時間で逆変換を行う場合がこの状況に相当する.上述の成果はもとの系列へ遅延なく逆変換できるかという実時間符号化問題を論ずる上で重要な意味をもつ.
|
Research Products
(4 results)