2004 Fiscal Year Annual Research Report
OFDM無線通信における高信頼性MIMO構成スマートアンテナ技術
Project/Area Number |
16560332
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
菊間 信良 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (40195219)
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Keywords | アダプティブアレー / スマートアンテナ / OFDM伝送 / MIMO伝送 / 到来方向推定 / MUSIC / ESPRIT / SCOREアルゴリズム |
Research Abstract |
OFDM伝送方式は,広帯域化・耐無線伝搬特性において優れた特性を有することから,将来の無線通信・放送技術を統合化する技術としても有力視されている.本研究は,このOFDM伝送方式を導入したMIMO(Multi-Input/Multi-Output)無線通信における高機能・高性能アンテナシステム(アダプティブアレーまたはスマートアンテナ)について研究開発するものである.以下に本年度の成果を示す. ・携帯端末用アダプティブアレーとして2素子システムについて検討をした.携帯端末は複数素子を配置するスペースが十分ないため,2素子アレーでも素子間隔は半波長以下と通常のアレーよりも狭くなる.この場合,素子間相互結合が一層強くなり,アダプティブアレーの特性に影響を及ぼす.本研究ではMMSE(Minimum Mean Square Error)規範を用いて解析を行い,素子間結合が指向性ダイバーシチ効果を生み出し,特性が改善される場合があることを明らかにした. ・基地局用アダプティブアレーとしては,受信波の逐次方向推定を行い,受信と送信に最適な指向性を合成する手法について検討した.これは部分空間追跡法とMUSICあるいはESPRITを組み合わせた方法で,十分良好な性能が得られることが示された.またOFDM信号の特徴を利用した方向推定アルゴリズムを提案し,その有効性を示した. ・変調信号の変調方式に依存したブラインドアダプティブアレーについても検討した.これはSCORE(Spectral self-COherence REstoral)アルゴリズムを発展させたもので,これまでのアルゴリズムより収束特性が改善された. 以上,MIMO構成の無線通信に有用である幾つかの要素技術について検討を行い,それぞれ重要な知見が得られた.次年度はMIMOシステムの中で上記提案手法の動作を考え,総合的に検討を行っていく予定である.
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Research Products
(6 results)