2005 Fiscal Year Annual Research Report
OFDM無線通信における高信頼性MIMO構成スマートアンテナ技術
Project/Area Number |
16560332
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
菊間 信良 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (40195219)
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Keywords | スマートアンテナ / MMSEアダプティブアレー / OFDM伝送 / MIMO / STBC / 到来方向推定 / ESPRIT / 周期定常性 |
Research Abstract |
OFDM伝送方式は,広帯域化・耐無線伝搬特性において優れた特性を有することから,将来の無線通信・放送技術を統合化する技術としても有力視されている.本研究は,このOFDM伝送方式を導入したMIMO(Multi-Input/Multi-Output)無線通信における高機能・高性能アンテナシステム(アダプティブアレーまたはスマートアンテナ)について研究開発するものである.以下に本年度の成果を示す. ・OFDM用ガード区間MMSEアダプティブアレーの最適化アルゴリズムの初期値について検討し,新しい初期値設定法を提案した.計算機シミュレーションにより評価した結果,従来方法に比べて,収束速度の高速化が図れることが確認できた. ・到来波の周期定常性を利用して,所望の到来波の到来方向を選択的に推定できるNS(Noise Subspace) Cyclic ESPRITを提案し,さらに,干渉波残留成分を低減し所望波に対する到来方向推定性能を向上させることを目的として,NS Cyclic ESPRITに適応型空間平均法及び一般固有値展開を導入した.計算機シミュレーションによる検討の結果,二つの手法を併用することによりNS Cyclic ESPRITの到来方向推定性能が改善されることを確認した. ・MIMOのブランチに直交偏波を取り入れ,所望の復号信号の干渉成分の係数となるチャネル応答値を小さくして信号間干渉を抑制する方式について検討した.計算機シミュレーションの結果,伝搬路の交差偏波振幅比が高い場合において干渉除去効果が確認され,従来の単一偏波を使用する準直交STBC(Space-Time Block Coding),同じく単一偏波を使用する直交STBCと比較し良好な誤り率特性が得られた. 以上,MIMO構成のOFDM無線通信に有用である幾つかの要素技術について検討を行い,それぞれ重要な知見が得られた.
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Research Products
(6 results)