2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己/相互位相変調がWDMシステム伝送特性に与える影響の高速評価法に関する研究
Project/Area Number |
16560336
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
乗松 誠司 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (20303886)
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Keywords | 光ファイバ通信 / ファイバ非線形効果 / 相互位相変調 |
Research Abstract |
ディジタル通信で最も重要な指標は誤り率である.誤り率に対し,どのように影響を与えるか,という点が本課題に特に重要となる.ファイバ非線形効果のうち,本課題で扱わない非線形効果である誘導ラマン散乱による波形劣化が誤り率に及ぼす影響についても,本課題提案者のグループにより提案され,公表されている.したがって,本課題で注目する自己/相互位相変調が波形劣化にどのように影響するかが分かれば,誤り率に結びつけることは容易と考えられる.なお,変調方式として最近注目されている差動位相変調方式について検討した. 相互位相変調効果は波長分割多重方式(WDM)の場合に生じる.それぞれのWDMチャネルが担うデータは独立なものであるため,相互位相変調の影響を一般的に評価するには,お互いに独立なデータとなるように擬似ランダム信号を何回も発生させ,その信号がどのように影響を受けるかを評価するものが従来法である.そのため従来法では計算時間が多くかかる. 差動位相変調方式において,自己位相変調による波形劣化がどのように誤り率に影響を与えるかを検討した.様々な条件の下で劣化した波形を計算して作成し,それらの特徴を調査した結果,光位相差劣化量に換算すれば特徴がよく現れることが分かった.その後,信号の平均と分散の間の関係式から光位相差劣化量を導出し,その光位相差となるような波形を生成することにより,誤り率とうまく対応することが分かった.
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