2004 Fiscal Year Annual Research Report
通信路環境に適応する局所的に最適な多次元直交多重システムの開発
Project/Area Number |
16560343
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岡 育生 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80160646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田山 正 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20275374)
吉川 英機 鈴鹿工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (60259885)
阿多 信吾 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30326251)
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Keywords | 一般化直交変調 / 多元接続干渉 / 最適変調パラメータ / 信号点間距離 |
Research Abstract |
一般化直交変調方式は多次元空間の回転を用いて変調方式を定義するもので、本報告者が2002年に提案したものである。変調パラメータは、回転平面と回転角の系列であり、これらを変更することにより、従来の時分割多重、符号分割多元接続方式や直交周波数多重方式を表現できると共に、通信路妨害に対して最適化を行うことが可能である。 本研究では、この一般化直交変調方式を用いて、周波数選択性フェージング存在下においても多元接続干渉が発生しない多元接続方式の種類を明らかにした。これは、各ユーザにおいて一定の長さの情報系列を基本系列として、この系列を繰り返して用いてユーザ間の直交化を図れば、この波形が歪んだ場合においても直交性が保持できることを用いている。具体的には、一般化直交変調方式において伝達行列となる回転行列を2つの回転行列のクロネッカー積で表すことにより実現できる。本方式では2つの回転行列を用いるため、2つの通信路妨害に対して独立に回転行列の最適化が可能となる。 提案した方式は周波数選択性フェージング下においても多元接続干渉が発生しないが、周波数選択性フェージングによる誤り率特性劣化を最小にするため最適化を行った。4ユーザからなる多元接続通信路において2シンボルからなる符号間干渉が発生すると考え、最小信号点間距離が最大となる回転パラメータの探索を行った。その結果、1-2平面の回転角を38度、1-3平面の回転角を12度、1-4平面の回転角を63度、2-3平面の回転角を24度、2-4平面の回転角を2度、3-4平面の回転角を41度の回転パラメータで最小信号点間距離が最大、すなわち、誤り率が最小となることが明らかとなった。また、ここでは、2つの回転行列のうち、片方のみの最適化を行ったが、他方の回転行列の最適化により、別の妨害要因にも対処できることを示した。
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Research Products
(2 results)