Research Abstract |
符号理論の未解決問題の1つに,非2元符号の完全重み分布を陽に与えるという問題がある.昨年度,この問題の解決の糸口として,最大距離分離符号,例えば,一般化リードソロモン符号など,のハミング重み分布について極めて興味深い構造を明らかにした.すなわち,符号長nシンボル,情報記号数kシンボルの最大距離分離符号に対して,符号語の重みwを,さらに情報記号部の重みw_<inf>と検査記号部の重みw_<che>に分離し,それらの重みを有する符号語の総数を解析的に示した.そこで,今年度は昨年度の結果を直接適用して, (1)2値に展開された一般化リードソロモン符号に対して,情報記号部の2元重み母関数は明らかに陽に与えられるが,検査記号部の2元重み母関数は未知である.そこで,検査記号部のw_<che>個の非ゼロシンボル全てに対して,シンボル単位で2元重みが最小(2元対称通信路を仮定して,生起する確率が最大)の場合,2元重みが最大(同確率が最小)の場合を仮定して,それぞれが見逃し誤り確率の上界式,下界式を与える2元重み母関数を与えた.同時に,これらの上界式,下界式の有効性を数値計算により示した. (2)内部符号の2元重み分布が既知である連接符号を2値に展開して得られる符号に対して,外部符号の情報記号部に相当する連接符号の2元重み母関数は明らかに陽に与えられるが,外部符号の検査記号部に相当する連接符号の2元重み母関数は未知である.そこで,外部符号の検査記号に相当する部分に対して,(1)と全く同様の考え方で,2値に展開された連接符号の見逃し誤り確率の上界式,下界式を与える2元重み母関数を与え,数値計算を行い,それらの有効性を示した.
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