2006 Fiscal Year Annual Research Report
非線形現象の発現・操作による柔軟劣駆動マニピュレータの運動制御
Project/Area Number |
16560377
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
薮野 浩司 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (60241791)
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Keywords | マニピュレータ / 非線形ダイナミクス / 非線形制御 / 分岐現象 / 高周波加振 / 分岐制御 / 柔軟構造物 / 座屈 |
Research Abstract |
宇宙空間での劣駆動マニピュレータの運動制御法を提案した.衛星本体のスピン回転によって発生する遠心力を積極的に利用した.衛星に接続された第1リンクを高周波で加振することにより,リンクが持つ運動の非線形性を発現させ,劣駆動リンクに分岐現象を発生させた.さらに加振周波数を変化させることにより,スピン速度の大きさ(遠心力の大きさ)との相対的な関係から,劣駆動リンクを様々な位置へ移動し,そこで安定化できることを理論的に示した。理論解析には多重時間尺度法を利用し,著者らが提案するオーダー評価の元で平均化方程式を導き,発生する分岐の形態および平衡点の安定性,さらに制御法を明らかにした.また,模型実験を行い,理論的に提案された制御法の有効性を確認した.柔軟性に関する研究は上記の研究とは別に行った.構造物の基本要素として梁を取り上げ,超柔軟状態(座屈点近傍)の状態に関する,制御法として,高周波加振による方法を提案し,高周波加振が分岐の非線形特性を亜臨界から超臨界へ変化させることを実験的に明らかにした.さらに,加振振幅の変化や加振振動数の変化によって分岐形態が変化し,平衡点の位置および安定性が変化することを実験によって明らかにした.理論的には特殊コッセラ理論により柔軟物体の支配方程式を非線形復元力をも考慮して導出し,その定性的な解析は今後の課題として残されている.本年度は最終年度に当たるため,国際会議の招待講演でこれまでの成果を発表し,機械システムの非線形性の積極的な利用について,討論を行った.
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Research Products
(2 results)