2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物の性能保証のための維持管理手法の検討とシステム化
Project/Area Number |
16560412
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森川 英典 神戸大学, 工学部, 助教授 (70220043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 文穂 山口大学, 工学部, 教授 (10093535)
服部 篤史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30243067)
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Keywords | RC橋 / 塩害 / 安全性 / 腐食 / 外ケーブル / 炭素繊維シート / 化学的侵食 / BMS |
Research Abstract |
(1)多主桁のRC橋梁において,塩害による劣化を生じると安全性の低下が桁ごとに不均一で複雑な状態となる.そこで,このようなRC橋梁の安全性を改善するため,外ケーブルによる補強を考慮し,多属性効用理論と遺伝的アルゴリズムを用いて橋梁構造系としての最適な補強をするための手法について検討を行った.(森川) (2)実施工で補強するコンクリート構造物は劣化が進行した構造物であり,内部の鉄筋の劣化や損傷状況を考慮する必要がある.特に,塩害に着目すると,塩害によって鉄筋は,標準的な孔食を含む一様な腐食だけでなく,局部的な腐食も生じている.そこで,鉄筋の一様及び局部的な腐食を模擬的に表現したRCはり部材に対し炭素繊維シート補強工法を行い,その補強性能について実験的に評価した.さらに,一様に腐食した場合と局部的に腐食した場合の補強性能の違いについて明らかにした.(森川) (3)模擬的にASRを表現した鉄筋の破断,および局部腐食による損傷を考慮したRC部材のせん断耐荷性能を評価することを目的とし,鉄筋の一部を切断したRCはり部材,局部腐食を考慮して鉄筋を一部切削することで模擬的に腐食させ,その腐食させる位置をそれぞれ変えてRCはり部材を作製し,載荷試験を行うことで,鉄筋の腐食が部材のせん断耐荷性能および耐荷機構に及ぼす影響について検討した.(森川) (4)コンクリート構造物の化学的劣化について,硫酸による化学的侵食に伴う鉄筋腐食に着目し,コンクリート・モルタル断面の侵食状況,硫酸イオンの浸透深さおよびpH分布と鉄筋腐食状況から,内部鉄筋の劣化の進行過程を把握するとともに,それらを適切に評価できる調査・診断手法として電気化学的モニタリング手法の適用性を実験的に明らかにすることを目的とした.その結果,かぶりコンクリートが消失する以前から硫酸鉄筋腐食に影響を与えていること,腐食発生の時期は,中性化残りに加えコンクリート比抵抗の変化から捉えることができることが確認された.(服部) (5)橋梁の維持管理計画の策定が可能なBridge Management System(BMS)を実橋梁へと適用し,維持管理計画を策定する手法について検討した.(宮本)
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Research Products
(4 results)