2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波トモグラフィーを利用したコンクリート診断に関する研究
Project/Area Number |
16560417
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 俊幸 長崎大学, 大学院生産科学研究科, 助教授 (50202172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 隆 長崎大学, 工学部, 教授 (40117156)
周 輝 長崎大学, 工学部, 助手 (20346927)
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Keywords | 計測工学 / 可視化 / 電磁波 / 構造物内部推定 / 逆問題 |
Research Abstract |
コンクリート構造物の健全性や耐久性の評価のために様々な非破壊検査が提案されている。非破壊検査法の1つに電磁波レーダ法がある。電磁波レーダを用いれば,鉄筋の存在は容易に推定できるが,構造物の比誘電率を特定しなければ正確なかぶりを推定することはできない。 我々は,鉄筋からの反射波の到達時間に対してガウス・ニュートン法(最小2乗線形テーラー微分補正法)を適用し,コンクリート構造物の比誘電率とかぶりを同時推定する方法を提案した(H16)。また,コンクリート構造物中の鉄筋の位置を分かりやすく推定するために新たな合成開口処理法を提案した(H15)。さらに,複鉄筋の探査において,コンクリート表面から深部の鉄筋探査を行うために,時間フィルタを組み込んだ合成開口処理法を提案した(H17)。これらの方法によれば鉄筋のかぶりの推定を行うことはできるが,鉄筋の半径を求めることはできない。 鉄筋の半径はコンクリート構造物の耐荷力計算において非常に重要なパラメータの一つである。さらに,送信アンテナから照射された電磁波パルスが鉄筋によって反射されるとき,かぶりが小さいほど,また鉄筋の半径が大きいほど,アンテナの移動に従って反射点も移動する。しかし,従来の推定手法では,鉄筋の半径を考慮せず反射点を固定して鉄筋の位置推定を行っているので,推定精度が悪くなる。 平成18年度は電磁波レーダを利用して鉄筋の位置,半径およびコンクリートの比誘電率を同時に推定する手法を提案した。推定手法にはガウス・ニュートン法を用いた。なお,電磁波レーダ装置は本手法を適用するために改良する必要はなく,既存の装置を利用することができる。コンクリート試験体に提案している手法を適用し,その有効性を明らかにした。 また,遺伝的アルゴリズムを利用して,鉄筋の大きさを精度良く推定することができた。
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Research Products
(6 results)