2005 Fiscal Year Annual Research Report
新素材等を用いた応力度低減手法による構造物長寿命化への研究
Project/Area Number |
16560420
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
平野 廣和 中央大学, 総合政策学部, 教授 (80256023)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 英吉 中央大学, 理工学部, 教授 (40253108)
青木 徹彦 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70064946)
|
Keywords | 制振装置 / 長柱構造 / 新素材 / 現地計測 / 延命効果 / 疲労寿命 |
Research Abstract |
橋粱付属構造物の一つである都市部の高架橋に設置された監視用ITV柱に、著者らが開発した多方向転動型同調質量ダンパー(MTRMD : Multi-direction Tuned Rolling-Mass Damper)を設置することにより、監視用ITV柱の制振対策を行った。さらに現地にて1年間にわたる連続計測を実施し、MTRMDの耐久性確認を行った。ここで取り上げた監視用ITV柱は、大型車両交通量増大にともない支柱の振幅が大きくなり、適切な映像を得ることが困難な状況となっている。そこで本研究で開発したMTRMDを設置することにより、監視用ITV柱を制振させて構造物のくり返し荷重による疲労寿命を延ばすとともに、カメラの視認性を向上させることが求められている。 本研究の結果から得られたMTRMDの制振装置としての有効性をまとめると以下のようになる. (1)MTRMDを設置することにより、ITV柱の減衰定数が非制振時の1%から設置時の16%へと増加しており、制振効果が有効であることが確認された。 (2)MTRMDを設置することにより、ITV柱の水平振動を低減した。その結果、実際のカメラ映像のブレが改善され、カメラ視認性改善効果が確認された。 (3)MTRMDを設置することにより、ITV柱基部に発生する応力レベルを低減することができたことから、くり返し荷重による疲労寿命を延ばすことが期待できる。 (4)室内実験での設計振動数の設定方法において、MTRMDは設計振動数より高振動数側で制振効果が十分に有効であることを示していたが、これが現地試験からも確認された。 (5)1年間の長期観測において、MTRMDの制振性能にほとんど変化が無く、耐久性の確認ができた。
|
Research Products
(3 results)