2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560421
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川上 哲太朗 東海大学, 海洋学部, 教授 (40204680)
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Keywords | 非破壊検査 / 薄肉平板 / 波動伝播特性 / 劣化損傷 / 低周波振動 / 動的応答解析 / 欠陥検知 / 境界要素法 |
Research Abstract |
本研究は,薄肉鋼製部材を対象に,その健全性を非破壊検査により評価するための簡便的な一次的検査手法の開発を目的として,薄肉平板内に存在する劣化損傷部を,部材表面を伝播する波動の散乱状態の可視化により検出することを試みたものである.特に本研究では,薄肉平板のもつ構造的に揺れやすいという特性を利用し,かつ簡便性と経済性を考慮して,波動源としは通常用いられる超音波ではなく,取り扱いが簡単で廉価な圧電セラミックス振動子等による比較的低周波の波動を用いた非破壊検査法であることに特徴がある. 具体的には,最初に波動伝播特性を利用した劣化損傷部検知手法を具体的に提案し,その有用性を数値解析実験により定性的かつ定量的に検討を行った.次に数値解析実験により検討された劣化損傷部検知手法を模型実験によりさらに照査し,実際の非破壊検査手法への適用性を検討した. 最終的に,数値解析的,実験的にも本研究で提案した低周波の波動伝播特性を利用した欠陥検知手法の有用性が確認された.さらに,実際の欠陥検知を想定した具体的な検知方法として,スライド法とレーダー法を提案し,各々の手法の検知評価特性についても数値解析的および実験的に明らかにすることができ,本手法の実用化への可能性が高いとの結論が得られた. 本研究で得られた主な結論を以下に示す. (1)低周波数振動でも平板内に存在する劣化損傷部の位置および代表的寸法を同定できるが,劣化損傷部の形状および劣化損傷度を評価することは難しいと考えられる. (2)本検知手法では,透過波に関する波動伝播特性を利用することが最も有効であることがわかった. (3)本検知手法で用いる振動波源としては,事前に要求される検知対象の劣化損傷部の代表的寸法∂と,入射波波数λとの関係∂λが0.6〜1.0の範囲が適当であると考えられる.
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Research Products
(2 results)