2004 Fiscal Year Annual Research Report
油による地盤環境汚染機構とその浄化法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16560434
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
本間 重雄 東海大学, 工学部, 教授 (80119700)
|
Keywords | 環境保全 / 地盤環境 / 土壌汚染 / 油汚染 / 浄化対策 / 浸透 / 石油炭化水素 / サクション |
Research Abstract |
平成16年度は、研究計画の前段に相当する土中への油の浸透および保持特性に関する室内実験を実施した。アクリルカラムに含水比を調整した試料土(山砂および砂質ローム)を一定密度で充填し、カラム上端に連結した給油タンクより試料土表面に灯油およびA重油をそれぞれ自然浸透させ、浸透油量の経時変化を試料の初期含水比およびサクション圧との関連において検討した。その結果、試料土の初期含水比の増加につれ浸透油量は減少したが、浸透が生じる試料土の初期含水比は約40%が限界であった。油浸透時の試料中の間隙水+油の飽和度(Sw+So)は、初期含水比Sw=0,10%ではSw+So=80%前後、Sw=30,40%ではSw+So=95%に達し、残存空気量は5%ほどに減少した。いずれの実験でも、油浸透時におけるカラム下端からの既存間隙水の排出は認められず、油の浸透に伴う間隙水の移動は生じていないことが確かめられた。 そこで次に、油を充填したテンシオメータを用い、初期含水比を調整した試料土についてサクション圧の変化を調べた。不飽和砂の油に関するサクション圧は、発揮される不圧自体が水に比べて小さく、体積含水率の増加につれて急激に減少する結果が得られた。これを定量的に評価するため、不の圧力水頭〜体積含水率の関係(特性曲線)をVGモデルを用いて近似し、カラム実験における油の浸透シミュレーションを行ったところ、実験状況がよく再現できた。今年度はC重油を除き予定の実験を実施し得たが、引き続き第一段階の実験を継続するとともに、次年度は過酸化水素や水酸化ナトリウムによる油汚染土の浄化実験を実施する計画である。
|
Research Products
(4 results)