2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560437
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤木 寛一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30150965)
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Keywords | 基礎 / 土構造物 / 掘削 / 安定液 / 地盤環境 |
Research Abstract |
地中連続壁工法は,掘削溝内を安定液で満たし,水中コンクリートを打ち込み,地中に連続した構造物を構築する施工法として発展してきた.これまで,主として用いられてきた地盤掘削用安定液はベントナイト泥水である.本研究では,気泡シールド工法で採用されているような起泡材を用いた気泡安定液の性質を調査し,設計管理手法を確立するとともに,実施工にも適用することを目的とする. 気泡安定液中の気泡量が少ないとき,溝壁と気泡安定液との境界で気泡膜が形成されない為,掘削溝内圧を溝壁に伝えることができない.ベントナイト安定液と同等の内圧を溝壁に伝達できる気泡添加率は,実験から約1.0(%)であることがわかった.また,気泡安定液中の気泡量が多いとき,溝壁に作用する土圧に対抗できない.ベントナイト安定液の比重の下限値を参考にして気泡安定液比重の下限値は10(kN/m3)であり,気泡添加率の上限は約2.0(%)となった. 以上の結果をもとに気泡安定液管理図を作成した.管理図は,気泡添加率と単位体積重量γ,含水比とTF値を対応させた図である.この管理図を用いて試験施工を行った.現場は愛知県,東海環状道路建設に伴う掘削で遮水壁を造成するものである.その結果,気泡安定液による地中連続壁の造成に成功した.セメント添加量300(kg/m3)で,目標強度1.0(N/mm2)を満足するとともに,鋼材の挿入も容易であった.さらに,ベントナイト安定液と比較して,排土量を2分の1に低減することができた. 以上の結果から,気泡安定液を用いた地盤掘削用安定液の施工における実用性が検証された.
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