2004 Fiscal Year Annual Research Report
総合的な分布型流出予測システムの構成と治水安全度評価に基づく治水計画手法の新展開
Project/Area Number |
16560445
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立川 康人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40227088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
児島 利治 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 助教授 (90346057)
市川 温 京都大学, 地球環境学堂, 助手 (30293963)
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Keywords | 分布型流出モデル / 淀川 / 治水計画 / ダム / 流出予測 / 河川計画 / 降雨分布 / 洪水予測 |
Research Abstract |
これまで、複数のダム群による流水制御の効果を陽に導入した総合的な分布型流出システムはほとんど構築されておらず、またそれを元にした現時点における治水安全度を評価しようとする試みもこれまでにほとんどなされてこなかった。本研究ではこうしたことを目的とする広域分布型洪水流出シミュレーションモデルを開発し、現状の治水安全度評価に基づくわが国の新たな治水計画手法のプロトタイプを作成することを目的としている。 平成16年度は、淀川流域(枚方より上流域、約7,230km^2)を対象とし、流域内の8ダムによる流水制御ルール、琵琶湖の貯水効果を陽にモデルに導入した総合的な分布型流出予測システムを構築した。またこのモデルを用いて流域内の任意河川地点における河川流量を算定し、現時点における水工施設・河道断面を設定した場合に、どの程度の確率降雨に対して河川流量が安全な状況であるのかを評価するシステムを開発した。実際に、降雨場の時空間発生の仕方が治水安全度に及ぼす影響を評価するために、最近20年間の降雨データから10洪水を取り出して、それぞれの降雨パターンを保持しながら、ある確率規模に観測降雨を引き伸ばし、それらを分布型流出モデルに入力して、流域内の任意地点における現時点での安全度をある幅を持って評価した。これらの流出シミュレーションの結果から、淀川流域の多数の評価地点ごとに、現在どの程度の確率規模の降雨であれば、洪水を安全に流下させることができるかを示した。また、ダムがある場合の洪水流出シミュレーション結果とない場合のそれとを比較することで、ダムの効果を定量定期に評価した。
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Research Products
(6 results)